クルマとは動くアート デザイナーに訊く アイデアは映画やゲームから 前編

2019.09.21

100字サマリー

動くアートとしてのクルマを創り出すデザイナーに話を聞きました。そのアイデアは映画やゲームからもたらされたと言いますが、単なるオブジェにはとどまらず、実際に動かすこともできるこうした作品が持つ意味は、単にひとびとを驚かせるだけではないようです。

もくじ

複雑怪奇 驚愕のマシン
憧れはマッドマックス
旋盤への愛 構造にも興味
イマジネーションとエンジニアリング

複雑怪奇 驚愕のマシン

ストレッチ版のロールス・ロイス・ファントムを軽く凌ぐ26フィート(7.9m)もの全長と、3tもの重量を持つこのクルマの動力源は、5.0L V8フォード・コヨーテエンジンであり、25本ものインテークパイプと31本ものエグゾーストパイプの上には、時計の脱進機に着想を得た巨大なトゥールビヨンと、回転するカゴのなかに収まる可動ギアが鎮座している。

さらに、ステンレスチューブ製のフレームと、合金製サスペンションパーツに覆われたこのクルマの複雑な造形からでは分かり辛いが、目視できるその外観のほとんどはきちんと機能するように作られており、まるで竜の鱗のように見える鋳鋼スチール製マッドガードが、巨大なふたつのフロントホイールを覆い、オープンの「キャビン」には運転席両側にふたつの助手席が、さらにその後ろにもふたつのシートが備わっている。

バリリアン・スチールは「ゲーム・オブ・スローンズ」からインスパイアされた作品だ。
バリリアン・スチールは「ゲーム・オブ・スローンズ」からインスパイアされた作品だ。

バリリアン・スチールと呼ばれるこのクルマを創り出したのは、ミュージシャンで彫刻家、そしてデザイナーであり、独学でメカニカルエンジニアを学んだ56歳のヘンリー・チャンだが、彼が拠点としているのは他のどこでもない、世界のエンターテインメントの中心地ラスベガスだ。

 
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