アリエル・アトム4 試乗 目的地はシンクロトロン 英国最高の頭脳が集まる場所 後編

2019.09.23

番外編:シンクロトロンとは?

ダイアモンド・ライト・ソース(DLS)で行われているのは最先端科学であり、フルパワーで稼働するには、6MWもの電力が必要となるが、これは小さな街ひとつで消費する電力量に相当する。

紫外線、赤外線、X線といった超高密度な光線を創り出すことが可能であり、可視光線では不可能な非常に微細な物質の研究に使われている。

そう、内部から見ると48面体だ。
そう、内部から見ると48面体だ。

100MeVのエネルギーを持つリニア加速器を使い、出力90keVの電子銃によって電子を光の速度をわずかに下回る程度という超高速にまで加速させると、DLSが収まる建物形状の理由となった巨大なリング状の「ストレージリング」へと送っているのだ。

その名称にもかかわらず、ストレージリングとは実際は48のストレートセクションが、電子を誘導するための48ケの強力な電磁石によって繋がれた48面体であり、この電磁石によってビームの進む方向を誘導している。

ビームの進行方向を曲げることで、電子はエネルギーを失うと同時に莫大な光を発するが、この光は実験専用のビームラインと呼ばれるステーションへと導かれるのだ。

現在33のビームラインがあるが、この数を40まで増やすべく作業が行われており、ここでの実験を望む企業や大学などが長蛇の列を作っている。

この施設は自動車関連の研究にも使用されており、そのなかにはハイグレードな金属材料に関する材料分析やナノコーティング技術、さらには燃料添加材の研究などが含まれている。

その他、最近の例としては16世紀にヘンリー8世が建造させた軍艦、メアリー・ローズから発射された砲弾の分析(1980年代に施された保護被膜が確認されたことでその価値を落としている)を行っており、さらにはNASAがアポロ計画で月から持ち帰った石の分析も予定されている。

 
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