リマック EVメーカーとしての未来と過去 グランドツアーでの事故

2019.09.23

技術力でEVの可能性を見せたBMW E30

リマック社の歴史は、いまのブランドイメージとはかなり異なる。フェラーリを打ち負かすハイパーカーを生み出すような要素はなかった。そもそも成功がはっきり見えないような企業に、投資家が大量の資金を投じることはない。大手自動車メーカーからクルマの製造委託を受けているような提携もない。

「創業当初は、本当に資金がありませんでした」 料金が払えず電気を止められた時もあったという。クロアチアには投資格付けがなく、自動車産業の国としての認知がなかったため、投資家を引きつけることが難しかったそうだ。

EV化されたBMW E30
EV化されたBMW E30

リマック社が当初から備えていたものはイノベーション。SF映画に出てくるような手を包むグローブから、沢山のワイヤーが伸びているデバイスが、本社ホワイエの展示ケースに飾られていた。iグローブと呼ばれるもので、マアテイの初期の作品。コンピューターへマウスやキーボードを使わずに、入力するもの。

そのデバイスで資金が回るようになると、マアテイの関心はクルマへと移っていく。1980年代のBMW 323iを改造し、人気のサーキットマシンへと生まれ変わらせた。E30型323iをEVに改造したクルマは、インターネットを通じて注目を集め、EVの可能性を示した。

「その映像は大手メーカーのキーマンの目にも触れ、われわれとの協働も可能か聞いてきたのです」 とロンジンが振り返る。マアテイは、自社モデルの製造を始めるために、EVのコンポーネントとソフトウェアの開発に注力していた。素晴らしいクルマのためには不可欠だと考えていたためだ。リマック社のビジネスモデルは特殊で、基本的に外部の自動車メーカーからの収益で成り立っている。

 
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