つるんとした「シンプル顔」のクルマが増えたワケ 「怒り顔」と2大勢力? 時代背景も

2019.09.29

なぜ? 前の顔の厚み増 グリル大型化

フロントマスクの厚みが再び増して、グリルが大型化した理由は、大きく分けて2つある。

ひとつは先に述べた通り、クルマの存在感を際立たせてブランドを明確に表現することだ。

次期型BMW 4シリーズの公式イメージ。
次期型BMW 4シリーズの公式イメージ。

1980年代に多く見られたリトラクタブルヘッドランプのフロントマスクは、正面から見ると車種がわかりにくい。

これでは存在感やブランドを主張できず、今のクルマは対称的に各部の造りが大きくなった。

直近で最も顕著なのは、新しいBMW 4シリーズだろう。いわゆるキドニーグリルを限界的な大きさに拡大している。

激しい競争の中で、今は最大限度のブランド表現をする必要に迫られているわけだ。

2つ目の理由は、各種の設計要件にある。

歩行者頭部保護基準なども実施されるため、昔のようにボンネットを低く抑えることは難しい。

歩行者と衝突した時、ボンネットを瞬時に持ち上げて空間を確保する安全機能もあるが、デザインの流れとして薄型のフロントマスクは採用しにくい。

今はツルンとした薄型フロントマスクを採用したくても、難しい事情があるわけだ。

ところがこれからは、流れが変わるかも知れない。

電気自動車とツルンとした顔の関係

最近はツルンとしたフロントマスクのクルマがいくつか登場している。

日本車ではリーフ、輸入車ならテスラだ。

テスラ・モデルS
テスラ・モデルS

これらは電気自動車だから、システムを冷却する必要はあるものの、ラジエター用の大きなグリルは装着する必要がない。

フロントマスクに厚みがあり、なおかつツルンとしたデザインだから、電気自動車特有の個性が際立っている。

ちなみにメルセデスベンツは「EQ」の名称で電気自動車のブランドを立ち上げた。電気自動車では、床下に駆動用リチウムイオン電池を搭載、ボディの前方あるいは後方にコンパクトなモーターと制御システムを収めることが多い。

そうなればフロントマスクなどの細部も含めて、エンジンを搭載したクルマに比べると、ボディスタイルが大幅に変わる可能性がある。

結局のところ、フロントマスクを含めた外観のデザインは、クルマの機能によって大きな影響を受けるようだ。

電気自動車が増えると、デザインの流れも変わってくるだろう。

新しいカーデザインの世界が開けるに違いない。

 
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