BMW 2シリーズに「グランクーペ」 前輪駆動だがドライビング・ダイナミクスを重視

公開 : 2019.10.16 08:07  更新 : 2019.10.16 09:35

クーペより広い車内と使いやすい荷室

新型2シリーズ・グランクーペは、他のグランクーペ・モデルにならい、1シリーズよりもワイドな独自デザインのキドニー・グリルが採用される見込みだ。

標準モデルのグリルには縦のスラットが入り、M235iではメッシュが張られる。シリーズ最強グレードのM235iは、エアインレットも拡大され、専用の角形エグゾーストを備える。

2シリーズ・グランクーペの車内は、2シリーズ・クーペと比べると、座席の膝周りが33mm広い。
2シリーズ・グランクーペの車内は、2シリーズ・クーペと比べると、座席の膝周りが33mm広い。

前後ともLEDが標準となるランプは、わずかにサイドに回り込む形状となる。ボディのサイドには2本のキャラクターラインが入り、彫刻的な陰影を生む。ホイールは16インチから19インチまで用意されるが、英国仕様では17インチが最も小さいサイズとなる。

BMWのデザイナーは、リアに水平基調のラインを多用し、ナンバープレートの位置を下げることで、低くワイドに見えるようにした。幅広いトランク開口部は、2シリーズ・グランクーペの後ろ姿に個性を与えるとともに、容量430Lの荷室に物を出し入れしやすいという実用性も兼ね備えている。荷室のフロア下にはサブトランクが備わる。後部座席は40:20:40の分割可倒式だ。

BMWによれば、2シリーズ・グランクーペの車内は、2シリーズ・クーペと比べると、座席の膝周りが33mm広く、頭上空間も余裕があるという。

運転席周りは1シリーズとほぼ共通。メーターパネルにはデジタル・インストゥルメントが備わり、オプションの10.25インチ・タッチスクリーンや、9.2インチのヘッドアップ・ディスプレイも装備できる。

センターコンソールのタッチスクリーンはわずかにドライバー側を向き、運転席側と助手席側で異なる素材をダッシュボードに用いることで両者を隔て、コクピットを強調するデザインになる。

2シリーズ・グランクーペは3シリーズの顧客を惹き付けることができるか?

BMWによれば、2シリーズ・グランクーペは3シリーズとは異なる顧客層(より若くてデザインを重視する人々)をターゲットとする位置づけになるという。同社のラインナップには、そこに新型モデルを投入する余地があると考えているのだ。

しかし、わたしは、3シリーズが大きくなりすぎたと感じている人々を取り込むのではないかと推測している。

3シリーズの(文字どおり)成長過程を埋めるクルマとも解釈できる新型2シリーズ・グランクーペ。
3シリーズの(文字どおり)成長過程を埋めるクルマとも解釈できる新型2シリーズ・グランクーペ。

現行型3シリーズのサイズが拡大したことについては、多くのコメントがAUTOCARの読者からの手紙欄にも寄せられている。こんなふうに考えられるのではないだろうか。2シリーズ・グランクーペはE46時代の3シリーズより少しだけ大きく、E90型3シリーズよりわずかに小さい。

つまり、3シリーズの(文字どおり)成長過程を埋めるクルマであるということだ。

もちろん、クルマをサイズだけで考えることはできない。BMWは後輪駆動であるべきだと信じている多くの人にとって、前輪駆動の2シリーズ・グランクーペはE90の正統な後継にはなり得ないだろう。

前輪駆動に移行したことによって、BMWのハンドリングが損なわれるわけではない。それは最新の1シリーズ、特に四輪駆動のM135i xドライブに乗ってみるとわかる。だが、それはかつての3シリーズのようなドライバーズカーではけっしてない。もし、2シリーズ・グランクーペが、その領域に1シリーズよりも近づくことができれば、コンパクトなBMW製セダンを求めている人を惹き付けることができるかもしれない。

関連テーマ

おすすめ記事

 

BMW 2シリーズの人気画像