ジェリー・マクガバン 新型ディフェンダーのデザイナーにインタビュー 後編

公開 : 2019.11.03 18:50

ランドローバーのこれから

近年では7年毎のモデルチェンジを行っているランドローバーだが、初代ディフェンダーが持っていた時代を超越した魅力を保つことは出来るだろうか?

マクガバンはそう信じている。「一度ひとびとに受け入れられたデザインを創り出すことが出来れば、それを継続するという方法をとることで、クルマ造りの考え方は変わり始めています。そしてデザインの変化は、タイムスケジュールではなく、最新のテクノロジーやマテリアル、製造方法によってもたらされるべきなのです」

新型ディフェンダー
新型ディフェンダー

「まさに新型イヴォークはそうした良い例であり、これからはこうしたモデルチェンジが多くなるでしょう」

「われわれのデザインスタジオとしての独自性は、シンプルで見事なプロポーション、必然のラインと、賢明さを備えた現代的なデザインを送り出したいという熱意にあります」

「あまりライバルについてお話することはありませんが、ロンドンへ向けて高速道路を走っていると、どのクルマも同じように見えます。ランドローバーがそうなることは決してありません」

番外編:EV時代のデザインとは

ジェリー・マクガバンはEVのデザインを、「次なる挑戦」だと考えているが、だからと言って、彼は決してエンジンを失うことがランドローバーを失うことだなどとは考えていない。

「もちろん、EV化を歓迎しています。そして、クルマからエンジンが失われる日がやがてやって来るとも思っています。ですが、ワンボックスだけの世界などわたしには耐えられません。まったく個性のないつまらないスタイリングにしたくなければ、ジャガーIペイスで実現したスクリーンフォワードなデザインがその限界に近いものだと考えています」

レンジローバーEV予想図
レンジローバーEV予想図

「ランドローバーのようなモデルには正しいプロポーションが必要です。さらに、エンジン以外にもボディに搭載すべきコンポーネントはあります。ですが、重要なことは、特別なモデルには他と区別するためのデザイン要素が必要だということです」

「ファッションを見れば分かりますが、ひとびとはつねに変化を口にし、実際につねに変化し続けるブランドもあります。ですが、優れたデザインというのは普遍的なものです」

「わたしにとって、デザインとはまさにブランドを体現するものであり、技術的な違いがほとんどなくなれば、デザインこそがブランド価値を決める最大の要素となります。デザインを必要以上にいじくり回す必要などあるでしょうか?」

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