フォルシアクラリオン 人を判別、好みの音楽再生 Quad Viewナビ新型も 東京モーターショー

公開 : 2019.11.03 11:50  更新 : 2021.10.11 09:26

フォルシアクラリオンとして初の東京ショー。乗員を判別して好みの音楽を再生するデモ。Quad Viewが便利な新型ナビなどを展示。川端EVPも記者発表に登壇しました。

シートごとに、自動で最適環境

text:Hajime Aida(会田肇)
photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

今年4月にフランスのインテリア系サプライヤー「フォルシア」の傘下に入ったクラリオンも、東京モーターショーで西館4階に出展し、カーAV関連技術を披露していた。

その中で最も注目すべきが、乗員の状況を自動検出することで各シートごとに最適な音場環境を提供する新技術「Connected Premium Sound Technologies(コネクテッド・プレミアム・サウンド・テクノロジー)」だ。

フォルシアクラリオンのデモカー、日産セレナは、車内に2つのカメラが。1つはルームミラー基部に配置。
フォルシアクラリオンのデモカー、日産セレナは、車内に2つのカメラが。1つはルームミラー基部に配置。

この機能は、あらかじめ登録した人を自動認識し、好みに応じたプレイリストを自動作成して再生するというもの。音源はストリーミングサービスを利用するので、今までのようにドライブに出掛ける度に聴きたい音楽をリストアップする必要もなくなるのだ。

会場では実際にその登録を行い、好みの音源がうまくリストアップされるかどうかが体験できた。

まず、対応アプリをインストールしたスマートフォンで顔写真を撮影し、合わせて好みの音楽を登録する。

この情報を車両側AVシステムと連携させることで機能は成立する。

自動でシャッフル しかもFDS

以降は、あらかじめ登録した人が乗車するとその時点で車両側のカメラが各人を自動認識。それだけで好みの音楽ジャンルをリストアップして再生する。

音質/音場設定も登録することができるので、いちいちサウンドの調整をする必要もない。しかもこのシステムでは、乗車した人の好みを自動的にシャッフルしてリストアップ。聴きたい曲が順番に再生されるので、再生する音楽で同乗者ともめることもなくなるってわけだ。

カメラが乗員を自動認識。画面には「運転手の好みに合わせて音量を調整中」の表示。
カメラが乗員を自動認識。画面には「運転手の好みに合わせて音量を調整中」の表示。

このデモカーで見逃せないのは、究極のオーディオシステムとしてクラリオンが開発したフルデジタルサウンドシステム(FDS)が搭載されていたことだ。

空気を振るわせるスピーカーのコーン紙を直前まですべてをデジタル化することで、徹底的な効率化と省エネ化を実現しつつ、同時にデジタルサウンドならではの高純度なサウンドを楽しめるのが特徴だ。

この日のデモで聴いたサウンドも透明感にあふれ、しかも音離れの良さが強力なインパクトを与える。この辺りがデジタル化されたサウンドでもあるのだ。

9インチ・ナビNXV997D クワッドビュー搭載

クラリオンのブースでは、独自のHMIテクノロジー“Quad View”搭載の9インチAVナビゲーション「NXV997D」のほか、8インチAVナビゲーションのタッチアンドトライコーナーも用意。“Quad View”が高い操作性を生み出す次世代HMIを体験できた。

また、クラリオンと家電が提供するSmart Accessクラウドサービスを活用し、さまざまなアプリを統合するAndroidベースのシステム「Voice-Activated Cockpit」でIoTベースの家電コントロールサービスを披露。軽自動車と商用車の両方のスタック技術に対応する包括的な燃料タンクと燃料電池技術「Fuel-cell systems」も紹介した。

ディスプレイを4画面まで分割できるQuad Viewを搭載。新9型 HDナビNX997D。
ディスプレイを4画面まで分割できるQuad Viewを搭載。新9型 HDナビNX997D。

他にADAS系の出展として、自動駐車システムを発展させた自動車の自動遠隔出庫システム「Long Range Summon(ロング・レンジ・サモン)」がある。これはクラリオンが比較的導入しやすいカメラ技術を活用することで実現するもので、主に商業施設の駐車場での実用化を目指すが、過疎地における高齢者の交通手段への応用も期待されている。

東京モーターショー2019は11月4日まで開催される。西館4階は、西館アトリウムから直行で行けるエスカレーターを利用するのが便利だ。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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