英国版中古車のすゝめ オースチン・アレグロ コンパクトカーのほろ苦い過去

公開 : 2019.11.10 07:50  更新 : 2020.12.08 10:56

オースチン・アレグロの中古車 購入時の注意点

オースチン・アレグロの場合、多くの不具合は現在に至るまでに修正・改善されていることがほとんど。自宅のガレージで作業するのも難しいクルマではない。

エンジンは、異音や振動、白煙が出ていなければ、充分に寿命は残っている。仮に摩耗していても、リビルトは比較的安価に済むはず。Aシリーズのエンジンは整備しやすいし部品も簡単に出てくる。Eシリーズの方も、愛好家クラブを介してスペアパーツの手配が可能だ。

オースチン・アレグロ(1973〜1982年)
オースチン・アレグロ(1973〜1982年)

トランスミッションも長持ちする方だが、2速目のシンクロは確認したい。4速MTのAシリーズは変速の感触もいいが、Eシリーズの5速MTは批判が出た通りグニャグニャ。MkIIのオプションとして設定された4速ATにはマニュアルモードが付いている。耐久性は高いが、リビルトできる専門家は限られる。

ガススフェア(球体タンク)が故障していなければ、ハイドラガス・サスペンションのガス補充は、MGFの整備ができるガレージなら対応可能。衝撃の吸収性が悪ければ、スフェアの交換が必要になることもある。きついコーナリングを繰り返すと、ドライブシャフトの等速ジョイントを傷めてしまう。

アレグロのエンジンは洗練されたユニットではないが、整備は簡単で安価。不具合箇所もわかりやすい。エンジンが載せ替えられていないかも見ておきたい。

不具合を起こしやすいポイント

ボディ

アレグロがスクラップ置き場行きになった最大の理由はサビ。サビの進行状態は充分に確認しておきたい。フロントバルクヘッドやフロントガラスの下、Aピラー周りやフロアのサビは修復に金額がかかる。フロントフェンダーの新品は貴重。

カーペットの下やプラスティック製シルカバーの下も見ておきたい。排水穴が詰まるとドアの底が錆びることがある。ヘッドライトやボディの装飾トリムもレアパーツ。

エンジン

オースチン・アレグロ(1973〜1982年)
オースチン・アレグロ(1973〜1982年)

機械的な問題は多くはない。劣化したエンジンをリビルトするなら、良好なエンジンに交換した方が安価に済むことがある。Eシリーズはガスケットが痛みやすく、冷却系に液漏れやオーバーヒート痕がないか注意。フィラーキャップに乳化したオイルが付いていないか、ラジエタークーラントにオイルが混ざっていないか観察したい。

装飾トリム

4角形のステアリングホイールは人気アイテム。ダッシュボードはシンプルだが、スイッチ類の交換部品は珍しい。オースチン・ミニのメーターと互換があり、ホーンボタンも合う。初期のビニールシートは耐久性があるが、後期のファブリックとベロアはすり減りやすく退色もする。新しいシートは少なく、張替え用の素材も珍しい。状態の良いものを選ぶのがベスト。

サスペンション

シンプルで、ほとんどのジョイント交換も自分で簡単に行える。ハイドラ・サスペンションは、ガス補充以上の修理が必要となることは珍しい。

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