驚きの出自 そのエンジンはどこから? モデルとの意外な組合せ16選 後編

公開 : 2019.11.24 19:50  更新 : 2021.03.05 21:35

レンジローバー P38A+BMW

1970年の登場から、レンジローバーと言えば滑らかに回るローバーV8が不可欠の存在だったが、2代目となるP38Aではその車重に見合ったディーゼルエンジンが必要とされていた。

いまではクラシックレンジと呼ばれる初代で使われていたイタリアのVMモトリ製ディーゼルや、当時の200と300TDiでは力不足だったために、ランドローバーではBMWが5シリーズで採用していた2.5Lの排気量を持つ6気筒に目を付けている。

レンジローバー P38A+BMW
レンジローバー P38A+BMW

この6気筒エンジンによって見事な洗練性がもたらされることとなったのだから、その決断は賢明なものだったと言えるだろう。

さらに、この決断が予見したかのように、1994年にはBMWがランドローバーを買収したことで、P38Aに対するこのエンジン供給を疑う声はまったく聞かれなくなっている。

BMW製エンジンは、3台目となるL322型レンジローバーの初期モデルでも採用されていた。

サーブ99+トライアンフ

1960年代、サーブは当初登場間近の99用に自らエンジン開発を行っていたものの、コストが高すぎるとしてその開発を断念している。

英国企業のリカルド社がサーブのためにエンジン開発を進めていたが、同時に、彼らは傾斜して搭載することでエンジンルーム内での全高を抑えることの出来る、トライアンフの新型スラント4エンジンのことも知っていた。

サーブ99+トライアンフ
サーブ99+トライアンフ

リカルドがサーブとトライアンフを引き合わせると、1968年には1.7Lの排気量を持つスラント4エンジンを積んだ99が誕生している。

サーブのトランスアクスル式ギアボックスと組み合わせるには、エンジンの向きを180度回転させるとともに、ウォーターポンプの登載位置もエンジン真上に変更する必要があった。

合計で58万8643台の99と2万5378台の90、そして1万607台のターボモデルが生み出されている。

サンヨン・ムッソー+メルセデス・ベンツ

サンヨン・ムッソーと言えばランドローバーやジープなどのライバルと比べ、なによりも圧倒的に安価な価格が魅力のモデルだったが、そのボンネットの下にも秘密兵器を隠し持っていた。

その秘密兵器こそが、メルセデス製エンジンであり、そのバーゲンとも言える価格に見合わぬ活発さを、ムッソーに与えることに成功していた。

サンヨン・ムッソー+メルセデス・ベンツ
サンヨン・ムッソー+メルセデス・ベンツ

最初に搭載されたメルセデス製エンジンは、Eクラスのタクシーで使用されていた2.7Lの排気量を持つ4気筒ターボディーゼルであり、ムッソーではパワー不足と盛大なサウンドをまき散らすだけだったが、3.2L直列6気筒エンジンがメルセデスからもたらされると事態は急変している。

突如、ムッソーは実際に購入することのできるなかではもっとも機敏なSUVの1台となり、0-97km/h加速を8.5秒でこなして見せた。

さらにメルセデスではムッソーが引退するまでの1997年から1999年にかけて、2.3Lガソリンエンジンも供給していた。

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