地球温暖化防止 カギを握るのは自動車メーカー? 目指すはカーボンニュートラル

公開 : 2019.12.01 18:50

カギはカーボンニュートラル

例えば、ボルボでは2040年までにカーボンニュートラルな自動車メーカーになるという目標を掲げている。

そのためにさまざまな目標設定を行っており、2025年までに1台あたりのライフタイムCO2排出量を40%削減するという目標とともに、同じタイミングで世界全体のサプライチェーンでのカーボンニュートラル実現を目指しているのだ。

フォルクスワーゲンではID3を同社初のカーボンニュートラルなモデルだとしている。
フォルクスワーゲンではID3を同社初のカーボンニュートラルなモデルだとしている。

さらに、ブロックチェーン技術を使って、リチウムイオンバッテリーのサプライヤーであるCATLやLG化学が使用するコバルトの原産地を確認出来るようにすることで、責任ある原料調達を実現したいとも話しており、将来登場するモデルでは、オーナーに対して平均的なライフタイムCO2排出量を示すことも考えているという。

ボルボ同様、フォルクスワーゲンでもカーボンニュートラルを目指しているが、その目標は2050年までというものだ。それでも彼らは、生産を担当するツヴィッカウ工場ではすべて再生可能エネルギーを使用していることから、ID 3のことを同社初のカーボンニュートラルなモデルだと誇らしげに語っている。

その他にも多くの自動車メーカーで、工場で使用するエネルギーを再生可能エネルギー由来にすべて切り替えたり、その他の方法でCO2排出量の削減を図るなどの対応を進めている。

規模に見合った責任

CO2を排出する自動車を作りながら、排出ガス削減のリーダーであるかのように振る舞うことに矛盾を感じるのは当然であり、特にディーゼルゲートを引き起こしたフォルクスワーゲンであればなおさらだろう。

それでも、フォルクスワーゲンでは、冒頭紹介したように、世界全体の1%に相当するCO2を排出していることを理由に「では他に誰が出来る?」と主張しているのだ。

地球温暖化防止
地球温暖化防止

チーフオペレーティングオフィサーを務めるラルフ・ブランドステッターは最近、「われわれの巨大な規模が意味するのは、それに見合った大きな責任です」と述べている。

さらに彼は、排気ガスを出さないモビリティーというテーマが、将来のフォルクスワーゲンの行動を決める「指針」になるとして、「将来の方向性を指し示すものであり、われわれの考え方を決めるものです」とも話している。

サムエルソンは、他のテーマと比較しながら、排出ガス削減をボルボというブランドの中核に据えようとしている。

「ボルボでは安全性に注力してきましたが、同じように持続可能性にも取り組む必要があります」

さらにサムエルソンは、ますます持続可能性への注目が高まることによって、もし自動車業界が対応に失敗すれば、苦境に立たされることになると懸念を表明している。

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