【まさかのF1マシン超え】驚愕の加速 ハイパーEV、ピニンファリーナ・バティスタ日本上陸

公開 : 2019.12.06 06:10  更新 : 2021.10.11 09:29

伝統のスタイリング

スタイリングは、ピニンファリーナがこれまで手掛けたデザインのクラシックなフォルムと機能のハーモニーを現代的に解釈してデザインされたという。

デザイン・ディレクターのルカ・ボルゴーノ氏は「純粋、美、希少を基本とするPURA造形理念に基づいて創り上げた」とコメントしている。

ピニンファリーナ・バティスタ
ピニンファリーナ・バティスタ

そのスタリングにはほのかにフェラーリのイメージが感じられるが、エクスクルーシブなクルマを目指すと必然的にその姿は重なってくるといえよう。しかし細部に目を移すと、伝統を踏まえたデザインにホッとするとともに、未来を思わせる新鮮な造形が見事に融合している。

現代のスーパースポーツだけに空力特性もピニンファリーナ自慢の風洞で磨き上げられ、可動式のリアスポイラーはコーナリングやブレーキング時に最適なダウンフォースを発生させ、走行安定性を高める。

バティスタはイタリアで手作業により150台が作られる。日本には一桁台数が割り当てられる予定という。日本ではエクスクルーシブなクルマを得意とするスカイ・グループが輸入元となり、来年にはショールームの開設も予定されている。

価格 邦貨2億円超え

購入を希望するカスタマーは、イタリアのカンビアーノにあるデザイン・スタジオで、デザイナーと一緒に好みにあわせてカラーリングや仕様を決めてゆく流れとなる。

これはエリック・クラプトンのフェラーリSP12や、ブルネイのサルタン王子の特注車両を作るのと同じ手順で行われるという。

ピニンファリーナ・バティスタ
ピニンファリーナ・バティスタ

気になる価格だが基本の車両本体価格は198万ユーロ(約2億3903万円)で、決済はユーロ建てとなる。オーナーの好みで細部までこだわってビスポークで製作することが前提のクルマだけに、実際にはここに特別装備代が加算されることになる。

来年10月から製作を開始する予定で、2020年末には市販1号車のデリバリーを予定。生産はハンドメイドのため、最終生産車が完成するのは3年後になるとか。150台限定と謳われているが、派生形となるスパイダーなどのバリエーション・モデルを作る予定はないという。

2020年はピニンファリーナにとって90周年。創業者の夢を叶えたバティスタは、ジュネーブでショーカーを展示するという。またピニンファリーナ90周年を記念したイベントの開催も予定されており、次なるステップへと踏み出す節目となろう。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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