【まさかのF1マシン超え】驚愕の加速 ハイパーEV、ピニンファリーナ・バティスタ日本上陸

公開 : 2019.12.06 06:10  更新 : 2021.10.11 09:29

ピニンファリーナ・バティスタが、日本に上陸。1900hpを発揮、0-100km/h加速はF1マシンより速い2.0秒以下。最高速度は350km/h以上という超絶EVを、たっぷり撮影しました。

ピニンファリーナ初の市販車

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:Automobili Pininfarina

カロッツェリアとしてスタートしたピニンファリーナは、創業89年を迎えている。自動車デザイン界の頂点に君臨し、数多くの傑作を送り出すとともに、長らくフェラーリ市販モデルのデザインを担当してきたことはご存じだろう。

2015年にインドのマヒンドラ・グループに入り、創設者バティスタ・ピニンファリーナの夢であった自らの名を冠したクルマを作るべく2018年4月に設立されたのが「アウトモビリ・ピニンファリーナ」である。

ピニンファリーナ・バティスタ
ピニンファリーナ・バティスタ

その処女作として製作されたのがその名も「バティスタ」。自動車におけるパフォーマンスとデザイン、テクノロジーを結集したラグジュアリー・ハイパーEVとして開発された。

今回のジャパン・ローンチには、アウトモビリ・ピニンファリーナから各セクションの責任者と、開発ドライバーを務めるニック・ハイドフェルドが来日。日本マーケットに対する本気具合が分かる体制で説明が行われた。

スペシャリスト集結

アウトモビリ・ピニンファリーナが設立され、ハイパーEV「バティスタ」を開発するにあたり、自動車開発のエキスパートが集結してチームを組んだ。

その結果、ブガッティ・ヴェイロンとシロン、フェラーリ・セルジオ、ランボルギーニウルスマクラーレンP1、パガーニ・ゾンダ、メルセデスAMGプロジェクト・ワン、テスラ、そしてポルシェ・ミッションEを立ち上げたスペシャリストが集結。彼らの専門知識とインスピレーションによって作り上げられた。

ピニンファリーナ・バティスタ
ピニンファリーナ・バティスタ

さらには、リマックピレリに在籍した技術チームと、母体であるピニンファリーナS.p.Aとも連携。また、開発テストドライバーにはF1とフォーミュラEで活躍するニック・ハイドフェルドが起用され、パフォーマンスにふさわしいハンドリングに仕立てられる。

そんなバティスタのパワートレインは、内燃機関では達成できなかったパフォーマンスをゼロ・エミッションで実現しているのが特徴だ。

最高出力1900hp

モーターの最高出力は1900hpに達し、トルク・ベクタリング機能付きの全輪駆動とされ、走行モードは5段階の可変式が備わる。

バッテリーはセンタートンネル部分と座席の後部にT字状に配置され、容量は120kwhを確保。製造はリマック・アウトモビリが担当する。

ピニンファリーナ・バティスタ
ピニンファリーナ・バティスタ

日産リーフが近年、バッテリー容量40kWhに加え62kWh搭載車を用意して話題になった。しかしバティスタは、その約2倍の容量を誇り、発表された航続可能距離は500kmにも達する。

車体はフルカーボン・モノコックを基本に、フロントとリアにはアルミ製サブフレームを組み合わせる定番の構成。ボディパネルもカーボン・ファイバー製とされ軽量化に貢献している。

サスペンションはダブル・ウイッシュボーン式。ブレーキは、ブレンボのカーボン・セラミック製ローターに6ポッド・キャリパーが前後に組み合わせられ、確実なストッピング・パワーを得ている。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

関連テーマ

おすすめ記事

 

EVの人気画像