【ミシュラン新製品】「エナジーセイバー4」 日本設計/開発 日本市場最優先の低燃費タイヤ

公開 : 2019.12.18 18:50  更新 : 2021.10.09 23:53

ミシュランの新製品「エナジーセイバー4」は代表取締役は「☆☆☆(3つ星)です」とコメント。日本の「特殊な」マーケットを中心としたプロダクトです。タイヤに必要なイノベーションを熱くかたりました。

エナジーセイバー4 日本市場優先の商品

text:Kenji Momota(桃田健史)

「もちろん、☆☆☆(3つ星)です」

ミシュランガイドになぞらえて、日本ミシュランタイヤ代表取締役のポール・ぺリニオは新製品に自信満々だ。

2019年12月10日に記者発表会で初公開された「エナジーセイバー4」
2019年12月10日に記者発表会で初公開された「エナジーセイバー4」

2019年12月10日に記者発表会で初公開されたのが、「エナジーセイバー4」。売り文句は、ウエットブレーキ性能と快適性を両立された低燃費タイヤ、である。

2013年から日本市場に導入した、「エナジーセイバー+」の後継という位置付けだ。サイズは軽自動車用の145/80R13から登録車用の205/55R16まで、13~16インチで全23サイズを2020年2月1日から順次発売する。

注目されるのは、設計/開発を日本で行った、日本市場最優先の商品という点だ。

ベリニオ社長は言う。「いま、自動車産業は100年に一度の大きな変革期を迎えました。タイヤにも(時代変化に対応に)同じ水準での進化が必要な時期なのです」

「ミシュランは企業方針として、モビリティの継続的な発展に貢献するため、イノベーションを原動力としています」

「そのうえで、重要なことは、製品のトータルパフォーマンスを追及することです」と流暢な日本語で説明した。

さらに「(ミシュランにとっての)タイヤ事業の市場として、日本は、アメリカ、中国に次ぐ大きな市場。アジア全体でみると、中国以外のアジア商圏の約半分が日本なのです」と、日本市場の重要性を強調した。

日本は世界最大の低燃費タイヤ市場

日本市場と特徴は「市場の約7割が低燃費タイヤであること」(日本ミシュランタイヤ関係者)という点だ。

日本ミシュランは、低燃費タイヤを含む、環境対応タイヤを1993年から日本で発売。この分野でのパイオニア的な存在としての自負がある。

「エナジーセイバー+」と「エナジーセイバー4」の数値比較。
「エナジーセイバー+」と「エナジーセイバー4」の数値比較。

2010年に、一般社団法人日本自動車タイヤ協会が始めた、転がり抵抗性能とウェットグリップ性能を等級化して表示するラベリング制度が採用された後に導入された「エナジーセイバー+」は、新車の生産工程でのライン装着品の定番だ。

具体的には、メルセデス・ベンツBMWアウディなどの輸入車向けや国内メーカーではトヨタプリウスPHVやホンダヴェゼルなど、60以上の国内外自動車メーカーで採用されている。

また、タクシーなど旅客運送業者からも「低燃費タイヤでありながら、走る/曲がる/止まるという操作の応答性が良い」など評価され導入実績が上がっている。

一般消費者向けでは、日本国内で2000人を超える大規模な調査を行ったところ、ウェットグリップ、ドライグリップ、ハンドリング、乗り心地の良さ、摩耗しにくさ、ひび割れしにくさ、性能の長持ち、高速運転時の安定性において、低燃費カテゴリーの平均値を超えた。

また、消費者の満足度でも平均値を上回った。

記事に関わった人々

  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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