【アクセル開度比較】公道でより楽しめるにはどちら? マクラーレン720S vs マツダMX-5

公開 : 2020.01.01 18:50

いよいよ測定開始

2回目と3回目の走行では、B4560号線沿いに往復することになる。最初の走行では森林地帯を通過するが、2回目と3回目はほとんど遮るもののない開けた荒地が舞台だ。最初のコースはほぼすべてが上りであり、2回目と3回目もほとんどがアップヒルとなるルートを設定している。

下りの長い直線では、両者ともアクセルを閉じたままでの走行が多くなることから計測は行わないことにした。

今回のテストで制限速度を破るようなことはなかった。
今回のテストで制限速度を破るようなことはなかった。

では出発だ。ソーンダースがステアリングを握る720Sを、クックを助手席に乗せてマツダで追いかける。ソーンダースはラップトップさえ用意していない。OBDポートに差し込んだ送信機からBluetoothで送られてくるデータを携帯電話で受信するだけという、いたってシンプルな方法だ。

こうした路面の荒れたコースで、マクラーレンについて行くのがどれほど大変かということには驚かされたが、97km/hの制限速度を守るのも想像以上に大変だった。ほとんどが3速と4速のままであり、5速を使う機会はほとんどなかった。

720Sでのデータ取りが終わると、今度は出来るだけマクラーレンと同じようなペースで走行するわたしのマツダを、ソーンダースとクックが追いかける番だが、マクラーレンでマツダを追いかけるソーンダースにさして苦労はないはずだ。

データは雄弁 答えは明らか

われわれがトップロードと呼ぶコースに出たが、このルートでの最初の走行は完ぺきであり、140秒のコースを2秒差で走行することに成功していた。

残念ながら、反対方向へ向けての走行では渋滞に捕まることとなったが、スタンガトトクク村からの上りと、荒地を舞台にした走行が完ぺきに上手くいったのでそれも問題ではなかった。

MX-5はその価格に相応しい価値を持つ。
MX-5はその価格に相応しい価値を持つ。

ソーンダースはほとんどアクセルを踏むタイミングなど無かったと話しているが、それでもデータで確認するのが待ちきれなかった。

クックが作成してくれたグラフを見ればその結果は一目瞭然だった。長いストレートではMX-5が93%のアクセル開度(実際に使うことのできる限界だ)を記録した一方、720Sはほんの一瞬70%開度を記録したものの、その平均値は約25%というものだった。

ペースそのものはほとんど変わらず、ほとんどが制限速度以内に収まっている。

興味深い一日だった。

30万8510ポンド(4331万円)(オプション装着前なら24万6990ポンド/3468万円だ)のマクラーレン720Sと、2万1295ポンド(299万円)のマツダMX-5。

どちらがその価格に見合った満足を与えてくれたのかを知るのに計算機など使う必要はない。

番外編:理想のパフォーマンスモデル

リア駆動が望ましいが、決して必須の条件という訳ではない。132psのフォードフィエスタでソーンダースを追い回したことがある。

ドライバーのスキルを発揮する機会があるのだから、スポーツカーではマニュアルギアボックスを選びたい。

MX-5で97km/hをキープするのにこれほど苦労するとは思わなかった。上り坂でさえ思わぬオーバーステアに見舞われている。
MX-5で97km/hをキープするのにこれほど苦労するとは思わなかった。上り坂でさえ思わぬオーバーステアに見舞われている。

パワーがそれほど重要ではない一方、重量にはこだわりたい。1tを越えるようなモデルは重すぎると言えるだろう。

0-97km/h加速は7秒以下であれば十分であり、最高速も193km/h以上は必要ない。

SUVが闊歩する公道ではワイドボディは扱い辛く、出来ればMX-5かアルピーヌA110以下に留めて欲しい。巨大なパワーなど持たないのだから、ナローなタイヤサイズを選択可能であり、ホイールともども重量をセーブできる。

その結果、巨大なブレーキなど要らないのだから、バネ下重量の軽減に繋がるとともに乗り心地も改善するだろう。

個人的な理想は、最新モデルの信頼性と安全性を備えたロータスエラン・スプリントだ。これ以上のパワーは不要だし、インフォテインメントなど必要ない。

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