【2019年 オークション総括】日本車編 NSX/スープラ/LFA/ロードスター 世界の評価は?

公開 : 2020.01.04 09:35  更新 : 2021.01.28 18:01

世界のオークションに、日本のスポーツカーが姿を見せるようになりました。でも、知名度が低く評価はいまひとつ。昨2019年の日本車の動きをレポートします。

日本車 メジャーな存在に

text :Kazuhide Ueno(上野和秀)
photo:BONHAMS、RM SOTHEBY’S(Ryan Merrill、Tim Scott)

数年前までは欧米のオークションに姿を現す日本車といえば、我が国より海外で格段に評価の高いトヨタランドクルーザー40系だけ。たまにホンダS800が姿を見せる程度だった。

しかし近年のアメリカ西海岸に端を発する日本の高性能旧車ブームが始まると、当時輸入されなかった日本製パフォーマンス・モデルが注目されることになる。

レクサスLFAは販売当時、市販車最高額の値が付けられていた。
レクサスLFAは販売当時、市販車最高額の値が付けられていた。

アメリカでは当時公認を受けていない車両でも、生産から25年を経過するとクラシックカーとして合法的に登録できるようになる。

これによって、それまで登録できなかったスカイラインR32 GT-Rが一躍注目されたのである。

あわせて日本の他のスポーツモデルも日の目を見るようになり、オークションにも頻繁に姿を現すようになったのである。

圧倒的存在感のレクサスLFA

日本のスポーツモデルの中で現在の視点で高い評価を得ているのがレクサスLFAだ。

日本のスーパースポーツと認識され、ヤマハ発動機が開発した560psを発揮するV型10気筒4.8Lエンジンや、CFRPを多く用いた車体など最新のテクノロジーが注ぎ込まれたことと、全世界500台限定生産という希少性で注目を集めた。

レクサスLFA ニュルブルクリンク・パッケージ
レクサスLFA ニュルブルクリンク・パッケージ

なおサーキット走行に対応するスパルタンな「ニュルブルクリンク・パッケージ仕様」は、500台の内50台のみが製作されている。

当時日本での販売価格はそれまでに市販された乗用車としては過去最高額となる3750万円で、中古車店でプレミアムが付けられて販売されていた。

2019年1月に開かれたRMサザビーズ・アリゾナでは9735万円、3月のRMサザビース・アメリアアイランドでは1億220万円で落札されている。落札されたのはいずれも「ニュルブルクリンク・パッケージ仕様」で、ノーマル仕様では数割安くなると思われる。

NSXは相応の評価

世界的に高性能車を送り出すメーカーというイメージが定着しているホンダが作ったスーパースポーツがNSXだ。

初代NSXは日本的といえる真面目なクルマ造りから、イタリア製のスーパースポーツに較べ色気に乏しく評価は今ひとつで推移している。

ホンダNSX
ホンダNSX

そのため欧米ではプレミアムが付くところまで人気が上らず500万円台から1000万円ほどで落札されている。

ただし日本のコレクターズカー・オークションで、それもタイプRとなると話は別。1995年モデルが3080万円、最終型となる2005年モデルでは4840万円を記録している。

なお現行型は時折オークションに姿を見せるが、欧米では中古車と変わらぬ額で終えている。

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