【落札率63.6%の好結果】BH初の試みを分析 スーパーGTオークション 東京オートサロン

公開 : 2020.01.20 05:50  更新 : 2021.10.11 09:29

BHオークション初の試み。レーシング・マシンだけに絞った競売が、東京オートサロンで開催。6割を超える落札率に。なにが入札者の心を掴んだのでしょう?

東京オートサロン2020で開催

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

コレクタズーカー・オークションを日本のクルマ愛好家に広めてきた「BH」の2020年最初の開催が、「スーパーGTオークション」として東京オートサロンで行われた。

今回はスーパーGTを主催するGTアソシエーション(GTA)とオフィシャル・パートナーシップを結び、レーシングカーのみを題材に「スーパーGTオークション-TAS」と銘打って開催されたもの。

BHスーパーGTオークションの主役となったのがポルシェ935
BHスーパーGTオークションの主役となったのがポルシェ935

オープニングではGTAの坂東正明代表が「今年はスーパーGTのシリーズ・パートナーに加わっていただき、両社で協力したオークションの開催を計画しています。今後はスーパーGTに関わりのある車両が出品されることを期待しております」と述べた。

チャリティ・オークションも

最初に姿を現したのは、事前に予告のなかった1990年ラルトRT34 F3マシンだった。

これはスーパーGTに参戦するトムスが所有するマシンで、チャリティ・オークション用に提供されたもの。トムスの舘信秀会長も姿を見せ、最低落札額なしでスタート。

チャリティ・オークション用にはマシン提供したトムスの舘信秀会長も姿を見せ、ハンマー音を響かせた
チャリティ・オークション用にはマシン提供したトムスの舘信秀会長も姿を見せ、ハンマー音を響かせた

アマチュアでも楽しめるフォーミュラ・マシンだけに競り合いが続き222万円で舘会長による落札を決めるハンマー音が響き渡った。

なお落札金額は全額が交通遺児育英会に寄付される。

ポルシェ935 1億6650万円

今回のスーパーGTオークションの主役となったのがポルシェ935 K3/80クレマーだ。

1970年代半ばから始ったグループ5シルエット・フォーミュラ時代の王者だっただけに今も高い人気を誇る。

本体価格1.5億円に、手数料などを含め1億6650万円の値が付いたポルシェ935
本体価格1.5億円に、手数料などを含め1億6650万円の値が付いたポルシェ935

出品された935 K3/80は、ポルシェのセカンドチームであるクレマー・レーシングが930ターボから製作したもの。エンジンは3Lのル・マン・スペックが搭載され、当時ヨーロッパのレースで活躍したヒストリーを持つ。

近年はル・マン・クラシックを始めとする国際格式のクラシック・レースに参加できることから再び人気に。

この935 K3/80は前オーナーがレースに参加していたこともありFIA HTPペーパーも取得し、即参戦可能なコンディションを保つだけに注目を集めていた。

オークションは1億円からスタートすると熱い入札、応札が続き、1億5000万円で決着が付いた。オークションの通例で落札額には10%の落札手数料とその分の消費税が加算されるため、入札者の支払金額は1億6650万円となる。

なお記事中の落札額はこれらを含んだ総額で表記する。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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