【アウディの前身アウトウニオン】DKWを中心に130台がリ・ユニオン 前編

公開 : 2020.02.02 07:50  更新 : 2020.12.08 10:55

1600kmの距離を自走して参加した人も

「多くの参加車両は自走して会場へやって来ました。最も遠方からの自走参加者賞は、1600km以上をドライブしてきたオーストリアのオーナーへ贈られました」 とフォルケスタッドが笑顔で話す。

多くのオーナーはDKWを日常の足として用い、整備も難しくはないという。エンジンに不具合を抱えて困っていた21歳のロバート・コルステイン。参加を諦めかけたそうだが、フォルケスタッドへ電話をしたそうだ。

第46回インターナショナル・アウトウニオン・ラリーの参加車両
第46回インターナショナル・アウトウニオン・ラリーの参加車両

「日曜日の夕方に助けを求める電話がかかってきました。幸運なことに状態の良いクランクシャフトが、部品棚に1つあったのです。月曜日にワークショップへコルステインが取りに来ました」

「彼はエンジンを途中で降ろして、クランクシャフトを交換したそうです。それから組み直してDKWを再始動させ、西部のコーンウォールから会場までたどり着いたんです」

今回のアウトウニオン・インターナショナルは計画に3年間を掛けているが、大成功と高い評価を得た。特に、土曜日の午後にコッツウォルズ周辺の道路を使用したロードランは、ルートがしっかり研究されていた。

美しい景色の中に広がる、交通量の少ない道。ドイツからの参加者は、「夢の中で運転しているようでした」 と話していた。

今回は、英国で開かれた第46回アウトウニオン・インターナショナル・ラリーの参加車両を、オーナーのコメントと一緒に何台か見ていこう。

アウトウニオン・ユニバーサル(1960年)

オーナー:デイブ・ダイアモンド

アウトウニオンに属していた、DKW製の機能的なユーティリティ・モデル。サイドヒンジのリアドアを持ち、シートは折り畳むことができるステーションワゴンだ。ヨーロッパ本土では人気の高いクルマだったが、英国の道路では滅多にお目にかかれなかった。

もともと、このアウトウニオン・ユニバーサルは南アフリカで製造されたクルマ。いまでも支持するドライバーは多い。

アウトウニオン・ユニバーサル(1960年)
アウトウニオン・ユニバーサル(1960年)

「このユニバーサルは10年ほど前に手に入れました。とても楽しいクルマです。わたしは2ストロークエンジンを積んだクルマに興味があるんです。サーブやDKW F102も所有していますが、公道ではほとんど走りません」 と話すのは、英国南部、ブライトンからやって来たオーナーのデイブ・ダイアモンド。

「運転席のドアのヒンジが後ろについている、スーイサイドドアが特徴です。すべてのアウトウニオン・ユニバーサルがこのタイプだと思います。オリジナルではエンジンの排気量は903ccのはずですが、このクルマには1.0Lのユニットが搭載されているようですね」

「手を加えたいところは沢山ありますが、調子は良いです。DKWは部品を見つけるのが大変です。所有する期間が長くなるほど、保管してあるスペアパーツの数も増えていくものですよね」

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