【数々の世界初】メルセデス・ベンツ 創業から120年 送り込んだ新技術 15選

公開 : 2020.05.11 18:50

ディーゼル:メルセデス・ベンツ260D(1936)

ルドルフ・ディーゼルが自身の名を冠するエンジンを開発したのは1890年代のことであった。このエンジンは効率性やトルクの面においてすぐにその価値が認められることになった。

このエンジンは当初船舶や潜水艦に用いられたが、1908年には初めてトラックに搭載された。

メルセデス・ベンツ260D(1936)
メルセデス・ベンツ260D(1936)

このエンジンを小型軽量にするのは困難であったが、自動車メーカーらは第一次世界大戦後にこの問題に取り組み始めた。シトロエン、ザウラー、プジョーなどがプロトタイプを製作した。

しかしこれを最初に乗用車向けに搭載したのはメルセデスであり、それがこの260Dだ。2545ccの4気筒エンジンは46psを発生し、最高速度は95km/hに達した。1940年までに2000台が生産されたが、第二次世界大戦の始まりとともに生産が中止された。

ターボディーゼル:メルセデス・ベンツ300SD(1978)

1970年代、ディーゼルエンジンが再びメルセデスにチャンスをもたらした。この時はガソリン価格が急騰し、ディーゼルの価値が再び上昇したのだ。

今回はディーゼルの欠点であるパワー不足を解消するため、ターボが搭載されたのである。その最初のモデルはW116型300SDであったが、米国向けのみの設定とされた。

メルセデス・ベンツ300SD(1978)
メルセデス・ベンツ300SD(1978)

この3.0L直列5気筒エンジンはターボ付きにもかかわらず最高出力はわずか113ps、最大トルクは23.2kg-mであった。

原油価格の高騰に苦しむアメリカでは、10.6km/Lという燃費の良さが人気を呼び、1980年までに2万8634台が販売された。次期型となるW126型Sクラスにはよりパワフルなエンジンが搭載され、米国のみで1985年まで販売された。

電子制御ABS:メルセデス・ベンツSクラス(1978)

メカニカルなABSこそ1960年代から存在していたが、現代でも使われる電子制御のABSが登場したのは1978年のことだ。メルセデスはこれをW116型Sクラスに搭載した。

これは以前のメカニカルABSよりも効率的かつ素早い動作を可能とするものだ。

メルセデス・ベンツSクラス(1978)
メルセデス・ベンツSクラス(1978)

欧州では2004年以降、米国でも2013年9月1日以降すべての新車にABSの搭載が義務付けられている。

簡単に言えば、ABSの搭載により制動距離が短縮されるのだ。強い制動力が必要な場合、単にブレーキを力一杯踏み込むことで、そのシステムが自動的に最適な制動力を与えてくれる。

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