【法的手段やむを得ず】テスラ 工場再開を許可しない地方自治体を提訴 米国

公開 : 2020.05.12 17:50

テスラが、カリフォルニア州の地方自治体を提訴しました。州のロックダウンが緩和される中、当局が同社工場の生産再開を認めなかったため、やむを得ず法的手段に出たとテスラは述べています。今後の動向が注目されます。

テスラ、地方自治体を提訴

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)

テスラは、フリーモント工場の再開可否をめぐって、カリフォルニア州の地方自治体を相手に訴訟を起こした。

同社のボス、イーロン・マスクは、本社と将来の製造工場を、州外に移転する可能性もあると警告している。

テスラ フリーモント工場
テスラ フリーモント工場

3月中旬、コロナウイルス感染拡大の防止のため、カリフォルニア州アラメダ郡が「外出禁止令」を出して以来、同社は操業停止を余儀なくされていた。

テスラは当初、モデル3と新しいモデルYの製造を行っているこの工場の、稼働継続を望んでいたが、郡は自動車の生産は「必要不可欠な事業ではない」との結論をだしている。

数日前から、カリフォルニア州は多くの規制を緩和し始めており、近隣のいくつかの郡は規制を解除しているが、アラメダ郡が工場の再開を許可しなかったことから、テスラは、郡を相手に訴訟を起こしている。

法的措置以外に選択肢はなかった

サンフランシスコ連邦裁判所に提出された書類に、テスラは、カリフォルニア州知事の州内の製造業者の業務再開を許可するという声明に違反した、郡当局による「権力の乱用」だと記している。

テスラは、同社のウェブサイトを通じ、再開計画についてアラメダ郡の当局に通知し、労働者の安全を保証するための措置を、郡の公衆衛生局と協力して構築しているという内容の、声明を出している。

テスラ・モデル3
テスラ・モデル3

これらには、オンライントレーニング、体温チェック、仕切られた作業ゾーン、徹底した清掃、個人用保護具の使用が含まれる。

テスラは、再開計画は「数か月にわたる綿密な計画の結果」であり、中国のロックダウン終了後の3か月前に生産を再開した、上海ギガファクトリーでの「包括的な業務再開計画」をモデルとしている。

「わたし達は、責任をもって、安全な職場復帰を支援しようとしています」

「テスラの従業員が、職場に復帰するためには、群に対し法的措置を取る以外に選択肢はありませんでした」とテスラは述べている。

州外への事業移転をほのめかす

声明に続き、マスクはツイッターに「もう我慢の限界です。テスラは、今すぐ本社と将来の事業をテキサスとネバダに移動します。今後の当局の対応で、フリーモント工場の対応も決まるでしょう」

「テスラはカリフォルニアに残っている、最後の自動車メーカーです」と投稿している。

テスラ・モデルY
テスラ・モデルY

テスラは、ネバダ州に既存のギガファクトリーを持っており、近い将来テキサス州に工場を開くことを検討している。

両州は、最近、ロックダウン制限の大幅な緩和を開始している。

アラメダ郡の公衆衛生局は「テスラと協力し、同社の工場に出入りする、何千人もの従業員の健康を保護しながら、業務再開を可能にするための安全計画を立てている」と述べている。

アラメダ群のあるフリーモント市の市長、リリー・メイは「市は、郡が地元の企業と協力して、地域経済を再開するために必要なガイドラインを作成するよう、奨励しています」

「テスラが、フリーモント地域社会にとって、安全で、思慮深く、バランスの取れた、アプローチで業務を再開した際には、10年以上に渡り行ってきたように、今後もテスラを支援してゆくつもりです」と述べている。

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