【420psのアウトバーン級を楽しむ】アウディRS4(B7) 英国版中古車ガイド

公開 : 2020.05.18 10:20  更新 : 2021.07.12 18:46

最高出力420psを発揮するNA V8エンジンに四輪駆動のクワトロを搭載した、B7型のRS4。スペックを考えれば、破格値で手に入れることができます。全体的に堅牢ですが、英国編集部がチェックポイントを解説します。

アウディにおけるランドマークの1台

text:John Evans(ジョン・エバンス)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
自然吸気の4.2L V8エンジンが、7800rpmで生み出す馬力は420ps。最大トルクは43.7kg-mを5500rpmで生み出す。しかも2250rpmから7600rpmという回転域に渡って、最大トルクの90%に達する力を湧出する。

2005年から2008年にかけて製造されていた、B7型のアウディRS4は、記憶に残るスペックを備えていた。当時の自動車メディアは、こぞって感嘆の声を記事に載せた。

アウディRS4(B7・英国仕様)
アウディRS4(B7・英国仕様)

AUTOCARでも、アウディにおける、ランドマークに位置付けられるクルマであり、極めて好印象と記している。英国価格は、5万ポンド(675万円)を軽く超えていたが。

今でも興味が掻きたてられるRS4だが、近い将来クラシックとしての評価は高まるはず。状態の良いクルマにしっかりメンテナンスを施し、お金に糸目をつけない、新しいタイプのオーナーが価格動向へ影響を及ぼしている。

3万ポンド(405万円)なら考えてしまうが、英国では1万ポンド(135万円)くらいからサルーンが手に入る。数千ポンド(数十万円)を上乗せすれば、走行距離16万km以下で、状態の良いクルマが視界に入ってくる。

1万5000ポンド(202万円)も払えば、状態に優れるサルーンだけでなく、アバントや、英国ではカブリオレも手にすることができる。

このB7型のRS4には、3種類のボディが用意されていた。4ドアのサルーンとエステートはボディ剛性で勝るが、カブリオレでも驚くほどしっかりしている。電動ソフトトップは21秒で開閉する。ちなみに日本へは、カブリオレは未導入だ。

カブリオレの魅力は、ルーフを開けばV8サウンドを直接楽しめるところ。新車時は6万ポンド近い価格を下げていたが、現在はサルーンとほぼ同じ値段が付いている。

エンジンとトランスミッションは丈夫

アバントは車重が重く、サスペンションはサルーンより硬め。雰囲気は初代のRS2に似たところがある。青色では特に。実用性にも優れ、3種類の中で最も人気が高い。

この型のRS4には、6速MTが組み合わされた。クラシックモデルの場合、AT車よりMT車の方が評価の高い場合が多いから、問題はないだろう。

アウディRS4(B7・英国仕様)
アウディRS4(B7・英国仕様)

やや後輪寄りの駆動配分が与えられた、四輪駆動のクワトロも搭載する。わずかなテールスライドも許容するように調整され、コーナリング時の操作を楽しめる。

サスペンションには、安定性を高めるダイナミック・ライド・コントロールも採用。より硬いサスペンションと、車高が低くなる、スポーツパッケージで設定が可能だった。シートのサイドサポートは高くなり、体をしっかり支えてくれる。

スポーツパッケージでは、さらに引き締まった乗り味を楽しめるものの、少々やりすぎに感じる人もいるだろう。標準の、手動調整式サスペンションでも充分だ。

アルミニウム製エンジンは、オイルを驚くスピードで消費する。こまめな補充さえ忘れなければ、故障知らずといって良い。トランスミッションも同様。

電子制御のサスペンションは、そうとはいい切れない。露出したオイルパイプが腐食することがある。多くのメカニズム、駆動系統にはアルミニウムが多用されている。腐食するのは、スチール製部品と接している部分。

アウディでもあり、さらに最上級らしい充分な作り込みが施され、RS4は新車当時の激しい走りにも良く耐えた。購入する場合、下回りも含めてしっかり観察したい。時間を掛けて探してでも、極上のエンジンを手にする価値は間違いなくある。

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