【ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT】ハンのRX-7フォーチュン ヴェイルサイド制作秘話 社長も出演していた

公開 : 2020.05.24 05:50  更新 : 2020.05.24 09:48

黒とオレンジはユニバーサルからの指示

「デザインのコンセプトは『鎧』(よろい)です」(横幕氏)

「戦いのための過激なスタイルを与えられながらも、オリジナリティあふれる和のテイストとエレガントさを同居させたデザインに仕上げました」

今回、訪問し、インタビューに答えたヴェイルサイドのオーナーでありデザイナーでもある横幕宏尚氏。
今回、訪問し、インタビューに答えたヴェイルサイドのオーナーでありデザイナーでもある横幕宏尚氏。    加藤博人

鎧をイメージしたRX-7フォーチュンだが、オレンジと黒のボディカラーは映画制作会社であるユニバーサルからの指示だったそうだ。

「TOKYO DRIFTは全般的に夜のシーンが多いストーリーになります」(横幕氏)

「もちろん主人公であるショーンの高校が登場するシーンや、借金の取り立てで銭湯に行って小錦に吹っ飛ばされるシーンなど、東京都内で撮影された昼間のシーンも出てきます」

「いっぽうクルマがバトルを繰り広げるシーンはほとんどが夜となっています。その多くはロサンゼルスの街中を渋谷の街中に作り替えて撮影が行われました」

「夜のシーンでも目立つよう、映えるように考えられたのがオレンジという色でした」

「またRX-7フォーチュンに乗るハン(サン・カン)や主人公であるショーンたちのグループと敵対するタカシが乗るクルマが、黒をベースとしたフェアレディZ(こちらもヴェイルサイド作)です」

「よって、悪役の黒いクルマに対して、明るいオレンジという対照的な色にしたいという思いもあったようですね」

なお、RX-7フォーチュンのボディキットは現在もヴェイルサイドで販売している。

映画公開(2006年)から14年近くが経過しているが、世界中から注文が絶えないレジェンダリーなクルマなのである。

実際の撮影、どのようにおこなわれた?

RX-7フォーチュンのように映画のメインとなるクルマは、もちろん1台だけではなく、数台、十数台が作られる。

「日本で撮影されるクルマはヴェイルサイドにて作られていますが、アメリカで撮影されるクルマに関しては、当社のボディキットを撮影現場に送っています」(横幕氏)

訪問したヴェイルサイドの内部。日本で撮影するクルマはヴェイルサイドで制作。
訪問したヴェイルサイドの内部。日本で撮影するクルマはヴェイルサイドで制作。    加藤博人

「そして、撮影を行っている現場近くで、その道のプロフェッショナルがボディキットを装着して、指定の色に塗装して作られていきます」

「まさに、撮影現場のすぐ近くで作業が行われているのですよ」

「撮影中に破損した場合は、その場で直します。直せない場合は新しいモデルを使います」

「ただし、遠目でしか映らないクルマはあまり細かいところまでは映画の中で見えないので、比較的おおざっぱに作っているようですね(笑)」

ところで、横幕社長ご本人がTOKYO DRIFTにカメオ出演しているのをご存知だろうか?

アマゾンプライムビデオの字幕版では、1:06:12あたり。モリモトがドアを開けて親分カマタ(千葉真一)を向かい入れるところで、部屋でマージャンをしていた横幕社長演じる関係者? が慌てて立ち上がる(黒いジャケットを着て正面を向いている)2〜3秒のシーンだ。

筆者はこの映画を50回以上見ているが、この取材で横幕社長にお会いして話を聞くまでまったく気づかなかった。

本日放映されるBS日テレか、Amazonプライムビデオでぜひ確認してみてほしい。

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