【もうすぐ発表だったのに】レクサスIS発表、直前で延期 世界情勢が理由 いったい何を意味? コロナ以外も

公開 : 2020.06.08 05:50

レクサスISの世界発表が、直前で延期に。なぜなのか、桃田健史の考察です。新型コロナウイルス感染拡大のみならず、アメリカミネソタ州ミネアポリスで発生した、警察官による黒人男性死亡事件も関連していると考えます。

レクサスIS発表、直前で延期のワケ

text:Kenji Momota(桃田健史)

オンライン発表なのに、なぜ延期?

異例の決断が必要なほど、事態は深刻だ。

レクサスIS(現行型)
レクサスIS(現行型)    レクサス

レクサスは、日本時間2020年6月10日午前8時配信を予定していたオンラインでの新型「IS」の世界発表を急遽延期した。

なぜオンラインなのに延期なのか?

新型「IS」のリアビューを映し出したティザーが公開されたのは、日本時間の6月1日。その5日後の6月6日に公開延期の発表。

まさに、ドタキャンだ。

ニュースリリースが最初に出たのは、アメリカレクサスのメディア専用サイト。

「アメリカ東海岸時間6月9日19時配信予定としていた、ISの世界発表を延期し、変更後の発表日程は近く公表する」との短いアナウンスで、延期の理由については記載がなかった。

一方、日本時間6日に日本のレクサスグローバルニュースルームで配信された、IS世界発表延期のニュースリリースには、「現在の世界情勢に鑑み」という延期の理由が明記されている。

この世界情勢とは具体的に何を指すのか?

そもそも、新型「IS」は今年4月上旬から開催される予定だったニューヨークモーターショーに出展される可能性が高かった。

だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月上旬の段階でニューヨークショーは今年8月への延期が決定。さらに5月後半になり、8月開催が中止となった。

そして今後は、オンライン発表すら延期に……。

コロナ問題を基盤とした米の暴動

レクサスがいう「世界情勢」の根底には、新型コロナウイルス感染拡大の影響がある。

だが、それが今回のオンライン発表延期の直接的な原因でない。

5月後半にアメリカミネソタ州ミネアポリスで発生した、警察官による黒人男性死亡事件に対する抗議運動。
5月後半にアメリカミネソタ州ミネアポリスで発生した、警察官による黒人男性死亡事件に対する抗議運動。    Martha Graham

なぜならば、ティザー公開を、未だに世界各国や地域で新型コロナウイルス感染拡大の収束の道がはっきりと見えていない6月1日に行っているからだ。

レクサスに限らず、自動車メーカー各社は、中国、欧州、アメリカ、そして日本など経済活動が徐々に再開してきた国や地域の状況を鑑みて、5月後半頃から新車発表の再開に向けた動きを見せている。

一方で、世界各地でいま、大きな社会問題となっているのが、人種差別に対する抗議運動だ。

コロナ禍での社会不安が高まる中、5月後半にアメリカミネソタ州ミネアポリスで発生した、警察官による黒人男性死亡事件に対する抗議運動を発端として、人種、年齢、職業を問わず全米各地で抗議デモが起こり、さらには一部が暴徒化し店舗を襲撃して物品を略奪する事態にまで発展している。

筆者は1990年代前半にロサンゼルスで発生した、いわゆるロサンゼルス暴動での社会混乱を現地周辺で実体験しているが、今回の全米規模での社会的な混乱は90年代当時より遥かにスケールが大きい印象がある。

こうした社会混乱とレクサスの新車発表延期に、どのようなつながりがあるのか?

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