【なぜ、ポルシェが新たな展開?】体験型ショップ/自前サーキット カイエン並み価格でEVタイカン上陸も

公開 : 2020.07.10 06:50  更新 : 2021.02.10 17:27

タイカン日本仕様の充電事情、明らかに

続けて、クワース氏はタイカンの商品説明に入った。

タイカンの魅力は、911を彷彿させるポルシェの伝統デザインをエクステリアとインテリアで継承。駆動用バッテリー(リチウムイオン二次電池)など重量物を床下に配置したことにより911より低重心となり、新設計のEV専用プラットフォームによるポルシェらしいダイナミックな運動性能を発揮。

ポルシェ・タイカンは駆動用バッテリーに一般的なEVが使う電圧400V式ではなく、その2倍の800V型を採用。
ポルシェ・タイカンは駆動用バッテリーに一般的なEVが使う電圧400V式ではなく、その2倍の800V型を採用。    ポルシェ

さらに、駆動用バッテリーに一般的なEVが使う電圧400V式ではなく、その2倍の800V型を採用した点を強調した。

これにより駆動用モーターに対するパフォーマンス性が上がり、またバッテリーのサイズを縮小化することで車両重量の軽量化にもつながると指摘した。

ここで気になるのは、充電設備についてだ。ユーザーとしては3つの対応方法がある。

1つは、自宅に出力8kwの交流充電器を設置すること。ポルシェではホームチャージングと呼ぶ。満充電には10~12時間とひと晩以上かかる。

外出時については、正規ポルシェディーラーで、日本が推奨するEV充電規格CHAdeMO(チャデモ)を採用した、出力150kw直流・急速充電器が使える。満充電の80%までを24分間で充電できる。

これを、ポルシェターボチャージングと名付けた。設置件数は、2020年内に全国で21か所、2023年までに全国44か所まで拡大する予定だ。

エクスペリエンスセンターへの期待

そのほかにも、全国各地の公共施設でもポルシェターボチャージングの設置を広げる。

いまのところの予定では、東京4か所(8基)、名古屋2か所(4基)、大阪2か所(4基)で、それら一部はすでに設置済みだ。

このように、ポルシェとして新しい市場であるEVに参入するのを機に、ポルシェは社会や新規顧客への可能性があるユーザー層に対して、これまでよりさらに一歩前に踏み出す戦略を講じる。

そうした流れの中で、注目されるのが、ポルシェ・エクスペリエンスセンターだ。

サーキットのような本格的レイアウトを持つ走行体験施設で、アメリカでは南部ジョージア州アトランタで運用されている。

日本導入についてもすでに公表されているが、今回の会見でキルシュ社長は改めて、予定通り「2021年夏に千葉県木更津市内に完成する」と明言した。

ポルシェジャパンとしては、タイカンのみならず、既存のポルシェオーナーと、若い世代を含めてこれからポルシェオーナーになろうかと思案しているユーザーに対して、より深くポルシェを理解してもらう機会を増やしていく。

キルシュ社長が、「ポルシェとユーザー、またユーザーどうしてのコミュニケーションの場」という表現を強調していたのが印象的だった。

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