【じっくり見たい】マクラーレン・スピードテール日本上陸 2.4億円 3人乗り/最高速403km/h 最新技術/内装を解説

公開 : 2020.09.14 20:25  更新 : 2021.10.11 09:35

ハイブリッドにより1070psを実現

スピードテールにはマクラーレンのロードカーで最大となる1070psの最高出力を発揮するパワートレインが搭載された。

ミドに積まれるV型8気筒3994ccガソリン・エンジンは、ツイン・ターボチャージャーで武装し757psをマーク。そこに電動モーターの313psが上乗せされる。

3シーターを採用するマクラーレン・スピードテールの内装。
3シーターを採用するマクラーレン・スピードテールの内装。    上野和秀

電動モーターはエンジンとギアボックスの間に配置され、マクラーレンが開発したバッテリーの電力密度は5.2kw/kgと自動車用高電圧バッテリー・システムでは最高のパワー・ウェイト・レシオを実現。

走行中は絶えず充電されるためプラグインは備わらない。また、駐車時のバッテリー充電は、フロア面に内蔵された電磁誘導システムのみとなる。

この1070psの最高出力とセナより100kg軽い1430kgの車重により、0-300km/h加速はP1の16.5秒を大きく上回る13.0秒を記録。

最高速度は、F1の391km/hを上回る403km/hをマークする圧倒的なパフォーマンスを備えた。

シャシー&内装 3座レイアウト復活

「スピードテール」のシャシーの基本となるカーボン・ファイバー製モノケージは、セナのタイプIIIを進化させたタイプIVに変わり、Aピラーは極限まで細くされ、視認性を高めている。

そこにカーボン・ファイバー製のボディパネルが組み合わせられる形だ。

3シーターを採用するマクラーレン・スピードテールの内装。
3シーターを採用するマクラーレン・スピードテールの内装。    上野和秀

アルミ製のサスペンション、カーボン製のブレーキ・ローターが採用され、軽量化は車体の隅々まで及び1430kgを実現。

ドアはおなじみのディヘドラル・タイプを備えた。

「スピードテール」のインテリアは、ドライバーがキャビン中央に座り、パッセンジャーが両脇に座るマクラーレンF1以来の3座レイアウトが特徴。

キャビンのスイッチはドライバーを中心に配置され、ダッシュ下部のほか、航空機を思わせる圧延アルミ製のオーバーヘッドコンソールに集約されている。

フロントガラスにはエレクトロ・クロミックが採用され、状況に合わせて濃度を変えて暗くなる。これによりサンバイザーが廃止された。

ルーフはパノラマ・ガラスドーム・タイプで、左右はドア上部まで、後方はリアアクスルの手前まで広がる。またコックピット内の照明は、ガラス内蔵のLEDが受け持つ。

価格 邦貨2億3860万円~ すでに完売

マクラーレン・スピードテールのスターティング・プライスは、175万ポンド(本日のレートで2億3860万円)。ここに、ビスポーク・プログラムが追加されることになる。

限定生産の106台は、すべて完売となっており、日本には数台がデリバリーされるという。

マクラーレン・オートモーティブ・アジア日本代表の正本嘉宏氏がアンヴェールに立ち合った。
マクラーレン・オートモーティブ・アジア日本代表の正本嘉宏氏がアンヴェールに立ち合った。    上野和秀

今回日本でお披露目されたスピードテールは、ブルワイ・ホワイトと名付けられたパールの淡いブルーのエクステリア・カラーで仕上げられていた。

この色は創始者ブルース・マクラーレンの自宅の壁やドアに塗られていた色を再現したというマニアックなものである。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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