自動運転で事故 誰の責任? 国土交通省の見解は 報告書を読み解く

2018.04.02

世界での実情把握から現実解を探す

今回の報告書の作成に対して、国土交通省が最初に行ったのは、自動運転の現状把握である。

その中には当然、センサー技術や高精度地図などの技術領域も含まれるが、主体となったのは各国政府の自動運転に関する法整備である。

報告書にも記載があるように、自動運転に関する国際協議は、国連/欧州委員会におけるワーキンググループで行われている。

道路交通法についてはWP1、また道路車両運送法などについてはWP29にて、日本も含めた世界各国の代表者が定期的な会合を行っている。

ただ、世界各地では法整備を進めることと並行して、自動車メーカーや自動車部品メーカー、そしてはIT関連企業が実証試験を積極的に進めている。

近年は公道での実証試験が盛んに行われており、その場合のルールについては各国政府の交通関連の行政機関、または警察が実証試験に関するガイドラインを作成し、実験者はそれに準拠するとしている。

つまり、自動運転の実証試験についての統一見解はなく、各国または各地での社会実情に合わせた試験が行われているのが実情だ。

記事に関わった人々

  • 桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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