初試乗

2018.05.13

フォルクスワーゲンUp! GTI

2000〜2005年に生産されたルポGTI以来、GTIファミリーに末弟が帰ってきた。
サイドには、黒いストライプがダブルで入る。初代ゴルフGTIを彷彿させるそれは、10psは余計にパワフルなクルマに見せてくれる。
キャリパーが赤いだけでスポーティに見えてしまうのはなぜだろう。しかもテスト車が白いボディだったので、余計に映える。
フォグライトはフロントバンパーの左右両端に配置される。それが埋め込まれるグロスブラックのパネルが全幅いっぱいに横切ることで、GTIモデルはワイド感が強調される。
フロントのハニカムグリルは、GTIとノーマルモデルの差別化ポイント。ただし、ゴルフやポロのそれほど目立ってはいない。
ノーズの中央には大きなVWバッジが配置され、その左右に伸びるのはGTIのアイデンティティともいえる赤いストライプだ。
GTIであることを主張する赤いストライプは、ご丁寧にリヤにも引かれる。テールゲートはガラスが全面を覆うので、他のモデルのようなハンドルを兼ねたエンブレムは装着できなかったようだ。
クローム仕上げでシングル出しのテールパイプは、GTI専用装アイテム。見栄えはよいが、ツイン出しならもっとクールだったのではないだろうか。
今どき外付けロッドアンテナなど、コストをかけてないクルマだと言っているようなもの。それに、実寸大のラジコンカーみたいだ。
ピクセル模様のダッシュボードは、もう少し明るい色にした方が、ほかの部分との釣り合いが取れたのではないだろうか。これはこれで、嫌いじゃないが。
長いシフトレバーのフィールは、もう少し曖昧さをなくしてくれた方が好ましい。ただし、シフトノブの握り心地はいい。
ESPがオフにできるのかと喜んだのもつかの間、エマージェンシーシティブレーキのスイッチだと知ってガッカリした。そして、このクルマで最も不満に感じるのが、まさにESPを切れないことである。
ダッシュボード中央には空調スイッチが、その下には基本的な情報を表示するディスプレイが配される。ナビゲーションは、それらの上にスマホを接続して表示させる。
ダッシュボード上面に、スマホ用クレードルを装備。専用アプリをダウンロードすれば、車両側のスイッチで操作できる。
GTIの内装といえば、タータンチェックのシートは欠かせない。シートはサポートが足りなそうな見た目ながら、前席でそれを不満に感じることはなかった。ただ、ステアリングコラムのアジャストには不足がある。
思いのほかレッグルームもヘッドルームもある後席。ただし、背が高いとしたら、長距離乗り続けるのは苦痛に思うだろう。
深くスクエアなラゲッジスペースは、ライバルたちより大きな容量も備える。後席シートバックは、もちろん分割可倒式だ。
ホイールベースの短さゆえに、路面のくぼみでは落ち込みも跳ね返りも大きい。
本領を発揮する場面であれば、このUp GTIはドライバーに満面の笑みを浮かべさせる。その瞬間、刺激的で、グリップは強力だから、実に楽しい。
価格や燃費と引き換えにした妥協の跡が、パフォーマンスにはみられる。ただし、GTIブランド固有のスタイルや、遊び心は損なわれていない。
パフォーマンスのランドマークとは言えないが、買うだけの価値は十分見出せる。

この画像の記事を読む

 
最新海外ニュース

人気コンテンツ