試乗記

2018.09.15

ポルシェ・カイエン・ターボ

カイエンの誕生は2002年、モデルイヤーでいえば2003年のことだった。
ターボのルーフ後端に組み込まれたリアスポイラーは可動式で、これはポルシェ・アクティブ・エアロダイナミクスシステムの一環。エアブレーキとしても、リアのリフト低減のためにも機能する。
標準装備のポルシェ・サーフェスコーテッド・ブレーキ(PSCB)に代わり、テスト車はカーボンセラミック・ディスクのPCCBを装備。10ポットのキャリパーが黄色いことで識別できる。
ポルシェ・ダイナミック・ライトシステム・プラスは有償オプション。マトリックス・テクノロジーを用い、部分的な減光で対向車の眩惑や道路標識の過剰な反射を防ぐ。
テールパイプはカイエンSも4本出しだが、ターボのそれは四角い形状で差別化される。
21インチのアルミホイールはダークチタニウムフィニッシュで、タイヤ幅はフロントが285、リアが315。ターボは、ボディ同色のホイールアーチエクステンションが取り付けられる。
社名が大きく記された、左右のテールライトをつなぐ横一文字のライトストリップは、まるで911のようなデザイン。ワイド感を強調するのが狙いだが、十分に成功しているとは思えない。
フロントのエアインテークはもともと大開口だが、黒いフレームのそれは、テスト車のカレラホワイトと銘打たれたメタリック塗装との対比でより大きく見える。
外装パネルにはアルミ素材が採用され、55kgの軽量化を実現。それでも、十分すぎるほど重いクルマなのだが。
計器盤は依然としてアナログ回転計を中央に据えるが、その両翼は素晴らしく鮮明なデジタルディスプレイの数々が固めている。
大ぶりなセレクターレバーにより、いくつかのスイッチがドライバーの視点から見えづらくなっている。他の部分はエルゴノミクス的に優れているので、この落ち度が余計に目立つ。
スポーツクロノ・パッケージ装着車は、モードセレクターがステアリングホイールに配置される。中央は、パワートレーンのレスポンスを20秒間だけマックスまで引き出すスポーツ・レスポンスのボタンだ。
中央のエアベントは、大画面ディスプレイに追いやられ、異常に低く配置される。ここから顔まで風を届かせるのは、ちょっとばかり難しい。
ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステムの最新版は、スマートフォンのように操作できる。ただし、アイコンのいくつかが、走行中に扱うには小さすぎる。
クラス最高峰のエルゴノミクスは、前席で際立っている。シートは十分すぎるほどの調整機能を有し、長距離走行も快適だ。
後席スペースは申し分ないが、よりアグレッシブなスロープを描くルーフに合わせ座面を低くしたのが広さの要因だ。
自動テールゲートが開くと、741ℓの荷室が。後席シートバックを倒せば、1680ℓまで拡大できる。ライバルたちに対抗しうるサイズだ。
動力性能はライバルのレンジスポーツSVRを上回るが、サウンドの興奮度では遅れをとっている。
直線での加速ぶりも強烈だが、そのスピードを殺す勢いも驚異的だ。それでいて、ノーズダイブはほとんどない。
素晴らしいスタビリティと平静さをみせるが、先代とは違い、コーナー出口で後輪を振り回したいドライバーを満足させるものではない。
今回も素晴らしい。ただし、かつてのようなドライバーズカーではなくなった。運転が楽で、より万人受けする高級車、といった印象だ。

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