初試乗

2019.02.09

アルファロメオ・ステルヴィオ・クアドリフォリオ

ジュリアとステルヴィオは、多くのコンポーネンツを共有する。
クアドリフォリオ・ヴェルデこと四つ葉のクローバーのモチーフが、フロントフェンダーに取り付けられる。最初に使われたのは1923年、ウーゴ・シヴォッチがタルガ・フローリオを制したアルファロメオRLタルガ・フローリオでのことだった。
ボンネットの左右には3本ずつのスリットが切られ、エンジンルームからの排熱に貢献する。停車すると、立ち上る陽炎が視認できる。
一度気づいてしまうと、フロントのロワーグリルに埋め込まれた大ぶりなセンサーに目を引かれずにはいられない。ちょっとばかり雑なデザインだ。
サイドビューは、リア周りの小うるさいデザイン要素が少ないながらも際立つ。テールライトから下方へ続く継ぎ目は、無駄で無粋に見える。
クローム仕上げの4本出しテールパイプは、細いパイプを太く見せるマフラーカッターではなく、排気口として実際に機能している。ここから吐き出されるサウンドはスペシャルだが、レースモードではそれが際立つ。
標準装備される華奢な20インチホイールは、ホイールハウスいっぱいに見栄え良く収まるが、過去のホットなアルファに装備されたホイールほどタイムレスなデザインとはならないだろう。
アルファに欠かせないのが、この盾型フロントグリル。ジュリアと同じく、フロントエンドの大きな面積を占めている。
このV6エンジンは、かつてのアルファV6ほど魅力的ではないかもしれないが、紛れもなく無視できない力がある。そして、サウンドはファンタスティックだ。
空調の操作パネルやシフトレバーなどのチープさは、上面がレザー張りのダッシュボードやカーボントリムのリッチさでも紛らわせるものではない。しかし、ステアリングホイールやシフトパドルなどの質感はみごとだ。
シフトパドルはアルミ製の一体成型で、見た目も手触りもファンタスティック。大きく、コラムにマウントされているので、操舵中でも位置が変わらず見つけやすい。
DNAプロのコントローラーは、走行モードやセッティングを容易に変更できる。中央のボタンは、ダイナミックとレースの各モード選択時に、ダンパーをソフトにするものだ。
ステアリングホイールのスイッチ類は、最高の質感とはいえない。右上の空白はアダプティブクルーズコントロールのスイッチが入るべき場所だが、1000万円オーバーのクルマなら標準装備にしてもらいたいものだ。
コントローラーはダイヤル式で、われわれは一般的にタッチパネルより好みだが、プレミアムグレードのシステムとしてはベストとは言えない、扱いにくいものだ。
オプションのカーボンシェルを奢ったスパルコ製バケットシートは手動調整式で、サイドサポートが非常にワイド。SUVには一般的な装備ではない。
後席には、成人が座っても余裕のスペースがある。座面は思ったより低いが、十分に快適だ。
荷室容量は、スペアタイヤを積まなければ500ℓをわずかに超える。オプションで、カーゴネットやレール式の荷室分割システムが設定されている。
乗り心地はどのモードでもそこそこ粗いが、それはサスペンションをより硬くして、市街地でも特に荒れた路面を走った場合の話だ。
これはスポーツカー並みの秀逸なハンドリングで、アジリティや精密さ、抑えの効いたボディコントロールと気持ち良いほどのアジャスト性をみせる。
パドルシフトのタイミングを誤らなければ、このステルヴィオは4秒以下で97km/hに達する。2名乗車での最速タイムは、なんと3.9秒だった。
ハイパフォーマンスSUV市場において、アルファはAMGを上回るクルマを送り出した。とはいえ、総合的にポルシェには敵わなかった。
真のドライバーズカーだが、SUVの満足感の限界を引き上げるクルマでもある。

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