試乗記

2019.06.02

マクラーレン600LTスパイダー

新世代マクラーレンにおける最初の“ロングテール”は、675LTだった。
10スポークの超軽量な鍛造ホイールとピレリPゼロ・トロフェオRの組み合わせは、570Sのタイヤとホイールよりも17kg軽い。
上方排気のエキゾーストは、600LTの特徴的な装備のひとつだ。パイプ長が短くなることで背圧が減り、吸気効率が改善されるので、結果的により高いパワーが出せる。
大ぶりなリアウイングと延長されたフロントスプリッターが、LTの元祖であるF1GTRロングテールの特徴だ。同じようなアイテムは675LTにも見られたが、今度は600LTで同様の手法が採られた。
便利なリアのパーキングカメラは、セキュリティパッケージに含まれるアイテムのひとつ。このほかにも前後のパーキングセンサーやノーズリフト機能も備わり、3980ポンド(約59.7万円)を払う価値はある。
電動アジャストのスポーツシートは、標準装備のレースシートほど快適ではなく、サポート性はまったく及ばない。しかし、メモリー機能は便利だ。
600LTスパイダーの可動式ハードトップは、15秒で開閉が可能。40km/hまでなら走行中でも操作可能だ。
フロントのラゲージコンパートメントは150ℓと大きくはないが、週末旅行用のソフトバッグならふたつくらい呑み込む。スーツケースを積むのは難しそうだ。
構造的にいえば、600LTスパイダーのキャビンに570Sとの違いはほとんどない。IRISインフォテイメントシステムの縦に長いディスプレイもそのままだ。
ルーフやリアウインドウの開閉や走行モード切り替えといった操作部は、センターコンソールに配置される。走行中に、手探りでそれらを見つけるのはなかなかトリッキーだ。
ノーズの上下やトリップコンピューターの操作を行うレバーは、シフトパドルやウインカーレバーの下に突き出している。手触りはいいが、動きは思ったより薄っぺらい。
リアウインドウは、ルーフとは別個に開閉することができる。雨の日でも背中からのエンジン音を楽しめるアイテムだけに、すべてのスーパーカーに装備してほしくなる。
インフォテイメントシステムのOSは、マクラーレン自社開発のIRISだ。グラフィック的には今の市場で最良とは言いかねるソフトウェアだが、おおむね使いやすく、フェラーリについているものよりずっとマシだ。
600LTスパイダーのように特化した高性能モデルで、これほど乗り心地の良いものにはお目にかかれない。真のしなやかさが、ここにはある。ただし、遮音性は低い。
スタートダッシュは猛烈に速く、2.9秒で97km/hに達する加速は、2017年にテストした720Sに匹敵する。15kg-m以上のトルク差があるにもかかわらずだ。
ハンドリングのリニアさや正確さと、煮詰められた乗り心地が補完しあい、自信を持って、許される限り速く、公道上で走ることができる。パフォーマンスがこのレベルにあるミドシップスーパーカーとしては異例だ。
サーキットでは常にグレートだとはいえないが、公道上では抜群としかいいようがない。

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