大幅強化のハイブリッド BMW X5 xドライブ50eへ試乗(1) 巨大モニターパネルに489ps

公開 : 2024.02.25 19:05

従来以上の高級感が狙われたインテリア

やや低めだった3代目と異なり、4代目の着座位置は視点が高く、SUVらしい。ランドローバーレンジローバー・スポーツほどではないものの、堂々とした印象を車内でも受ける。

フェイスリフト前のインテリアは、従来のBMW以上に、高級感が狙われたように見えた。クロームメッキ・トリムやフレームで囲われた操作パネル、視覚的な訴求力の強い化粧パネル、ドラマチックな造形などで。

BMW X5 xドライブ50e Mスポーツ(英国仕様)
BMW X5 xドライブ50e Mスポーツ(英国仕様)

基本的な雰囲気は、アップデート後も同様。ダッシュボードは刷新され、モダンさを増したけれど。前面には、12.3インチのメーター用モニターと、14.9インチのインフォテインメント用タッチモニターが一体になった、巨大なモニターパネルが鎮座する。

実際に押せるハードボタンの殆どは、その大画面に吸い込まれてしまった。便利なショートカットキーも消えた。そのかわりというべきか、ダッシュボードを横切るように、透明なプラスティックの帯がある。

エアコンの温度調整などは、タッチモニターへ常時表示されるものの、シートヒーターの調整は何度かタップが必要。メーター用モニターの表示は、可読性より、グラフィックの派手さへ力が注がれたのかもしれない。

タコメーターは、スポーツ・モードを選ばない限り非表示。通常は、パワーゲージが描かれる。表示できる情報の選択肢は、もっと多くて良い。

便利な分割式のテールゲート

内装には、高級感が若干劣る部分も混在する。エアコンの送風口はプラスティッキーで、クリスタルが用いられていたシフトセレクターは、小さなスイッチへ置換された。

後席の空間は広め。ただし、バッテリーEVのiXほど広いわけではない。リア側にもシートヒーターが備わり、USBポートが多数用意されている。ちなみに、ディーゼルエンジンを指定すれば、3列シートも指定できる。

BMW X5 xドライブ50e Mスポーツ(英国仕様)
BMW X5 xドライブ50e Mスポーツ(英国仕様)

荷室容量は、駆動用バッテリーの影響で500L。このクラスでは狭めながら、フラットなフロア下には、小さな収納空間が設けられている。

テールゲートは、分割して開閉可能。下半分を手前に倒してベンチとして使えるし、狭い駐車場でも荷物を出し入れできる。レンジローバーのように。

インフォテインメント・システムの使い勝手は、最新世代のiドライブ8では、ほどほど。折角ロータリーコントローラーが備わるのだが、ソフト側はそれを充分に利用できていない。各機能は独自のアプリへ分割され、サブメニューは多すぎる。

ナビやメディア、ホームなどへ1発でアクセスできる、ショートカットは便利。英国仕様のナビは使い勝手が良く、スマートフォンのミラーリング機能へ逃げたくなることはないだろう。スマートフォン用アプリ、マイBMWも高機能だ。

この続きは、BMW X5 xドライブ50eへ試乗(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

BMW X5 xドライブ50eへ試乗の前後関係

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