除草剤、ゴルフボール 衝撃の連続、ビッグモーター不正問題のこれまでを振り返る 伊藤忠はどう支援に乗り出すのか?

公開 : 2024.02.22 07:25

教習所では教えてくれないクルマの売買と使い方とは

消費者の不安が拡大した中古車業界の信頼回復を図るため、自動車公正取引協議会や中販連などの業界団体の他に中古車販売店においても「ユーザーのあんしん」を主眼においた独自の対応にも要注目だ。

1月24日には「ダマさないからネットで売れる」の衝撃的なキャッチコピーで業販最大手の「バディカ」によるダイレクト販売(バディカダイレクト)がスタートしており、同29日にはオートクレジット大手のプレミアグループによる史上初の「販売店による不正行為を30万円まで補償するサービス」が始まっている。

ビッグモーター不正問題
ビッグモーター不正問題    加藤博人

もちろん長年、客をだますことなく正しい中古車販売を行ってきた中古車店がほとんどだと思いたいが、中には中古車初心者をだまそうとする悪徳業者も存在している。新車ディーラーと違って信頼できる中古車店の選び方を知るのは難しい。人気タレントを起用した派手なCM、販売や買取、車検の実績台数に惑わされて「ここなら大丈夫」と思って騙されてきた人も少なくないはずだ。

消費者も販売店任せにせず、公正な中古車店や整備工場を見極める力をつけるべきだし、私たちメディアも自動車ユーザーがクルマ生活に関する正しい知識を身に着けられるよう、いいこともダメなこともユーザーにとって有益な情報を発信していく義務があると考えている。運転の仕方は自動車教習所で学べても、クルマの売買やローンの組み方、車検の通し方や修理工場の選び方などは教えてはくれないのだから。

なお、本稿の執筆中に、伊藤忠がBM社を支援する方針を決めたという一報が飛び込んできた。なぜ伊藤忠はこの決断に踏み切ったのか。AUTOCAR JAPANでは近日中に解説記事を掲載する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。
  • 編集

    香野早汰

    Hayata Kono

    1997年東京生まれ。母が仕事の往復で運転するクルマの助手席で幼少期のほとんどを過ごす。クルマ選びの決め手は速さや音よりも造形と乗り心地。それゆえ同世代の理解者に恵まれないのが悩み。2023年、クルマにまつわる仕事を探すも見つからず。思いもしない偶然が重なり編集部の上野太朗さんに出会う。翌日に笹本編集長の面接。「明日から来なさい」「え!」。若さと積極性を武器に、日々勉強中。

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