ノアやセレナばかりじゃ退屈? シトロエン・グランドC4ピカソ UK中古車ガイド 電気系統の不調にご注意

公開 : 2024.05.24 19:05

スタイリッシュなフォルムで、7シーターを包んだグランドC4ピカソ 車内もオシャレで広々 運転体験はクラス最高水準に迫る 電気的な不具合は少なくない 英国編集部が魅力を再確認

ちょっと個性的で魅力的な7シーター

シトロエンのミニバン、グランドC4ピカソと、そのアップデート版となるグランドC4スペースツアラーは、ちょっと個性的なミニバンを求めるパパやママへ最適。家族での長距離旅行も楽しめる、魅力的な7シーターといえる。

すでに2代目の生産は終了しており、古いモデルはラインオフから10年以上が過ぎている。でも、直近の例ならまだ2年前。価格重視から新しさ重視まで、幅広い予算に応じたグランドC4が、中古車市場には存在する。

シトロエン・グランドC4ピカソ/スペースツアラー(2014〜2022年/英国仕様)
シトロエン・グランドC4ピカソ/スペースツアラー(2014〜2022年/英国仕様)

欧州では主力になった2.0Lディーゼルターボは、排気ガス規制のユーロ6へ当初から対応。環境への後ろめたさを感じずに、高効率なエンジンを選べるのも魅力だろう。当時のAUTOCARは、この2.0ブルーHDi 150が最適だとまとめている。

少し価格を抑えたいなら、1.6ブルーHDi 120も悪くない。英国仕様では、トランスミッションは6速のマニュアルかオートマティックが選べた。

英国仕様のガソリンターボは、1.2ピュアテック130の一択。滑らかに回転し、充分なパワーを発揮してくれる。市街地の移動が中心なら、好適なユニットといえる。ちなみに日本へは、1.6Lガソリンターボのみが導入された。

2016年のフェイスリフト後は、スペースツアラーへ改名。ガソリンターボはそのままだったが、ディーゼルターボは2.0ブルーHDi 160と1.5ブルーHDi 130へ変更。トランスミッションは8速オートマティックに置き換えられた。

2018年にも小改良が加えられ、装備が充実。安全技術もアップデートされている。

外観と同じくらいインテリアもオシャレ

グランドC4の魅力の土台となっているのが、プラットフォーム。発売当時は、シトロエンがクラス最長だと主張したホイールベースを持ち、トレッドも初代から拡大。その結果、優れた操縦性と広大な車内空間が生み出された。

有能なシトロエンのデザイナーは、その強みを最大限に活用。確かに3列目は若干窮屈とはいえ、どのシートに座っても、不足ない快適性が確保されている。

シトロエン・グランドC4ピカソ/スペースツアラー(2014〜2022年/英国仕様)
シトロエン・グランドC4ピカソ/スペースツアラー(2014〜2022年/英国仕様)

3列目をフロア下に折りたたみ、2列目を前方へスライドさせれば、2181Lもの広大な荷室空間を作ることも可能。一部の上級グレードでは助手席も折りたたみでき、9フィート(約2.7m)の長い木材を運ぶことも難しくない。DIY好きにはうれしい。

スタイリッシュな外観と同じくらい、インテリアもオシャレ。プラスティック製パネルの多くはソフト加工され、サテン仕上げのトリムが華やか。エントリーグレードの内装素材は印象的なほどではないものの、安普請に感じることはないだろう。

小物入れはふんだんに用意され、ダッシュボードには蓋の付いた大きな収納も。英国仕様のトップグレードには、ピクニックテーブルも付いていた。

もし予算が許すなら、2020年式以降が望ましいだろう。フィールやセンス・グレードなら、メーターパネルは12.0インチのモニター式になり、パーキングセンサーも備わる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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