シトロエン 収益性重視のため小型・大型車を廃止へ C5 X後継は「存在しない」と否定

公開 : 2024.06.11 18:05  更新 : 2024.06.20 09:00

シトロエンは今後の製品戦略でB/Cセグメントに焦点を当て、小型車・大型車は順次廃止していく方針だ。DセグのC5 Xの後継車計画は存在しないという。シンプルで手頃な価格のモデルに注力する。

主力のミドルクラスに集中

フランスの自動車メーカーであるシトロエンは、今後のラインナップから小型車や大型車を除外し、B/Cセグメントに集中する。欧州市場の主流セグメントに焦点を絞り、収益性を高める狙いだ。

同社CEOのティエリー・コスカス氏は取材で、「ニッチではなく、メインセグメントに参入する必要がある」と述べた。

C5 Xは「存在しない」セグメントとされ、後継車の計画はない。
C5 Xは「存在しない」セグメントとされ、後継車の計画はない。

コスカス氏はAセグメントのC1では採算が合わないとし、またDセグメントのC5 Xの後継車開発についても基本的に否定した。「シトロエンはBセグメントとCセグメントに参入する必要がある」という。ただし、Aセグメントよりも小さい超小型EVのアミは販売を継続するようだ。

アミと新型C3の間には1万ユーロから2万ユーロの価格ギャップがあるが、それを埋めるのは「簡単ではない」とし、「今のところ計画はありませんが、(ギャップを)どう埋めるかが問題です」と述べた。

「(C1の後継として)Aセグメント車を投入すれば、Bセグメントよりも安価になることが求められますが、我々にとっての生産コストは同じです」

シトロエンは新型車にバリュー重視の「スマートカー(Smart Car)」プラットフォームを採用し、コスト低減を目指す。同プラットフォームは部品点数が少ないため、安価で生産しやすく、新型C3から市販導入されている。

コスカス氏は、通常のハッチバックやSUVではなく、「新しいものを提案するのがシトロエンのDNAだ」と語った。今後のモデルには「存在しない新しい形」を導入するという。

「リスクをとり、市場を揺るがす必要があります。シトロエンはそれができるのです。欧州市場の大半を占めるBセグメントとCセグメントでそれを実行します。そこがシトロエンのいるべき場所です」

ラインナップの製品数については、「それほど多くはありません。5、6車種がうまく配置され、お客様にとって非常に魅力的なものになっていればそれで満足です」とした。

2030年までにシトロエンの販売台数の大半がEVになると予想しているが、「ポピュラーブランドとして、すべての人に手頃な価格のモビリティを提供する必要がある」ため、内燃エンジン車やハイブリッド車の生産を続ける予定だ。

新型C3ではエンジン車、ハイブリッド車、バッテリーEVが用意されている。

また、シトロエンは手頃な価格帯を維持し、不必要な装備を積まないようにするという。

「手頃な価格のクルマ、シンプルなクルマ、快適なクルマ。シトロエンは “技術のクリスマスツリー” ではありません」

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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