ワイド&ローな存在感! マセラティ・キャラミ デ・トマソ・ロンシャン(2) エキゾチックさで誘惑

公開 : 2024.11.09 17:46

ベースを共有しつつ、異なる個性を持つロンシャンとキャラミ 共有するボディパネルは殆どなし 自然な運転姿勢で長距離ドライブも快適 濃厚な独自性で誘惑する2台を英編集部が振り返る

最高出力はMTで258ps、ATは284ps

マセラティ・キャラミは1983年まで製造され、ラインオフした200台の内、44台が右ハンドル車。グレートブリテン島には、30台が運ばれている。当時の価格は、約2万1000ポンドだった。

V8エンジンの最高出力と排気量は、MTでは258psの4.2Lで、ATは284psの4.9Lと異なった。見た目上の違いは、後者に電動ファンが2基備わること程度だ。

マセラティ・キャラミ(1976〜1983年/英国仕様)
マセラティ・キャラミ(1976〜1983年/英国仕様)

今回ご登場願ったのは、アンディ・ヘイウッド氏が所有する、4.9LのAT車。「2005年に、友人でお客様だった人物から購入しています。通勤に乗られていて少しくたびれていたので、エンジンのオーバーホールとボディのリフレッシュをしています」

「2019年にインテリアを仕立て直しましたが、それ以前はオリジナルでした。ATはフルード漏れの心配が少ない、アルミ製サンプへ交換してあります」。スペアパーツは、部品取り車が数台あり困らないという。ボディパネルは、ほぼ存在しないようだが。

「ドアハンドルは、デ・トマソ・ロンシャンと同じです。サスペンションも。リアアクスルは、ジャガーXJ6と同じように見えるんですよ。今度、寸法を計測しようと思っています」。ヘイウッドが説明する。

存在感が半端ない2台のスタイリング

他方、ダーク・グリーンのロンシャンを所有するのは、ダグ・ブレア氏。スコットランドのオークションで落札したという。「何年も納屋に放置されていた車両で、レストアされるのを期待して出品したようです。生産末期の車両だったので、飛びつきました」

グレートブリテン島で今でもナンバーを維持しているロンシャンは、恐らく3台。これはレストアを終えたばかりで、グレードはGTS-Eらしい。

デ・トマソ・ロンシャン(1972〜1989年/英国仕様)
デ・トマソ・ロンシャン(1972〜1989年/英国仕様)

1988年から1989年に、6台か8台が生産された内の1台に当たり、フェンダーパネルだけでなく、バンパーやライト類、サイドスカートも専用品になる。相当に珍しいデ・トマソなことは、間違いない。

公道での存在感は半端ない。直線的な面構成のキャラミも、明らかにアグレッシブ。シャープなウエストラインで、プロポーションはワイド&ロー。フィアット130にも似ているだろう。

ロンシャンは、1980年式までは少し控えめな容姿だったが、このGTS-Eは負けないくらい威圧的。往年のレーシングカーばりのホイールアーチと、4本出しのテールパイプが主張しつつ、スタイリングのまとまりは良い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

マセラティ・キャラミ デ・トマソ・ロンシャンの前後関係

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