ミニ・エースマン 詳細データテスト ミニらしい走り やや狭い室内 カントリーマンよりクーパー寄り
公開 : 2025.01.25 20:25
意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆
全長はほぼ4mで、Bセグメント級のクロスオーバーであるエースマン。ボルボEX30や、最近発表されたフォード・プーマGen−Eなどと競合する。
同じく中国製で、3ドアのみとなるハッチバックのクーパーの電動版をストレッチしたものだが、むしろそれは自然なことだろう。この2台のサイズを比較すると、ホイールベースは80mm、全長は221mm、全高は54mm、エースマンのほうが上回るものの、BセグメントSUVの水準からすれば小柄で背が低い。ちょっと車高を上げた5ドアのBセグメントハッチバックといった感じだ。

エースマンとクーパーは、メカニズムも関連性が強い。BMWグループが好んで使う他励同期モーターは、クーパー同様、エースマンもEが184ps、SEが218ps、JCWが259psというバリエーション展開で、前輪駆動のみだ。
駆動バッテリーパックも、電動クーパーと共通する。価格は80kWh以上のバッテリーを積むコンパクトEV並みだが、容量はSEとJCWでも50kWhを切り、エントリーグレードのEでは36.6kWhしかない。
テストしたSEのWLTP航続距離は393kmと、560km以上のモデルも存在するクラスにあっては見劣りする。短距離をすばしっこく走るというのは、クーパーならしっくりくるだろうが、実用性の向上が期待される新型車では物足りない。
クーパーがそうであるように、サスペンションは四輪独立で、コイルスプリングとパッシブダンパーを装備。スタビライザーはロールをタイトに抑えるため、プリロードされている。ステアリングラックは一般的なダイレクト式で、ロックトゥロックは実測で2.3回転だった。
すべてが相まって、ライバルより高いエンターテインメント性を見せてくれそうに思える要素が並ぶ。しかし、テスト車の実測重量は1756kgある。フィアット600eの1587kgよりかなり重く、キア・ニロEVの1739kgや、シングルモーターのボルボEX30の1779kgに近い。車体が小さいからといって、とくに軽いわけではないのだ。