ミニ・エースマン 詳細データテスト ミニらしい走り やや狭い室内 カントリーマンよりクーパー寄り

公開 : 2025.01.25 20:25

購入と維持 ★★★★★★☆☆☆☆

クーパーE/SEに対し、エースマンの価格上乗せは2000ポンド(約39万円)未満と聞けば、思いのほか差額が小さいと思うだろう。エースマンのEは3万1800ポンド(約614万円)から、SEは3万6300ポンド(約701万円)から、JCWは4万800ポンド(約787万円)から。ただし、エクスクルーシブとスポーツの各グレードは、ベース価格から3000〜4000ポンド(約58〜77万円)ほどアップする。

航続距離と急速充電性能は、価格を考えると購入者をガッカリさせそうだ。ハッチバックに対し、長距離走行の使い勝手は向上していない。

荷室の奥行きは580〜1380mm、幅は940mm、高さは390〜460〜710mm。300Lという容量はクラス平均程度だが、床下ストレージが備わる。
荷室の奥行きは580〜1380mm、幅は940mm、高さは390〜460〜710mm。300Lという容量はクラス平均程度だが、床下ストレージが備わる。    JACK HARRISON

公称航続距離はエースマンEが309kmで、SEは393kmだが、テスト車はそこまで達しなかった。平均は261kmで、高速道路ではそれよりやや落ち、市街地などでの日常使いを想定した走行でも341kmに留まった。今回はかなり寒い中での計測だったが、それでもボルボEX30の走行距離が短いほうやフィアット600eにはっきり差をつけられている。

急速充電は、Eが75kW、SEとJCWが95kWで、価格を考えるとまったく物足りない。テスト車の平均70kWという結果はまずまずだが、ライバルはこれを上回っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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