失敗に終わった高級車ブランド 29選(前編) 歴史に残る「しくじり」

公開 : 2025.01.26 18:05

デュポン(1919年~1932年)

米国のブランドでキャデラックやパッカードに匹敵するものは稀であった。この2社は高級自動車の王者であり、多くのブランドが競争を試みたが成功したのはわずか数社。そのうちの1社がデュポンである。デュポン家は化学製品で財を成し、そのおかげで多額の支出と優秀なスタッフの雇用が可能であった。

デュポンは1919年から1931年にかけて、スタイルと品質の両面で優れた製品を送り出していた。しかし、大恐慌に見舞われ、デュポン家の財力をもってしてもブランドを救うことはできず、1932年に閉鎖された。

デュポン(1919年~1932年)
デュポン(1919年~1932年)

サルムソン(1919年~1957年)

この記事に登場する他のメーカーと同様、フランスのサルムソンも自動車業界に参入する前はまったく別のものを製造していた。同社の場合は遠心ポンプである。そこから事業拡大を図り、英国のGN社向けにサイクルカーの製造を開始した。その後、自動車部門が独立し、ソシエテ・デ・モトゥール・サルムソンとして活動を始めた。

1920年代前半から半ばにかけて、6つのモデルを製造した後、新型のSシリーズというモデルに移行した。その人気は徐々に高まっていったが、大排気量エンジンを対象とするフランスの厳しい税制に直面した。1957年には自動車製造を終了した。

サルムソン(1919年~1957年)
サルムソン(1919年~1957年)

(翻訳者注:この記事は「後編」へと続きます。)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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