【ポイントは5ナンバー】性能もサイズも日本向き!ヒョンデ・インスターはオールマイティEV
公開 : 2025.04.22 11:25
ヒョンデ・モビリティ・ジャパンは、1月10日より先行予約を受け付けていたインスターの販売を4月10日に開始しました。その試乗会会場で関係者に内田俊一が取材しました。ポイントは『5ナンバーサイズ』です。
4代目カローラと同じ全幅
ヒョンデ・モビリティ・ジャパンは、1月10日より先行予約を受け付けていたインスターの販売を4月10日に開始。5月頃よりデリバリーがスタートする。今回、試乗会会場で同社のMI/商品チームシニアスペシャリストである山崎貴弘さんに話を聞くことができた(崎はたつさき)。ポイントは『5ナンバーサイズ』だ。
そもそもこのインスターというクルマの成り立ちは、どういうものなのだろう?

「もともと韓国の軽自動車規格で開発した『キャスパー』をベースにEV化したクルマです。バッテリーを積むためにホイールベースを中心に全長を伸ばしながらも、日本の5ナンバーサイズを確保していますので、日本市場にとって絶妙なサイズになっています」
具体的には全長3830mm、全幅1610mm、全高1615mm、ホイールベースは2580mmだ。この全幅1610mmというサイズは、1979年に発売された4代目トヨタ・カローラと同じだ。
「まさに日本の道路事情にマッチしたサイズです。パッケージングが非常に優秀で、サイズは小さいにも関わらず室内は相当広く、シートアレンジも多彩です。我々はオールマイティEVと呼んでいます」
4つのシートをゆったり使ってもらう
インスターの乗車定員は4名となっている。
「日本の平均乗車人数を見るとほとんど1人か2人なので、4人に割り切って、その分4つのシートをゆったり使ってもらうようにしました。同時にシートアレンジもいろいろできるようになっています」

ちなみに、本国や欧州も4人乗りである。実は日本導入に当たっては本国より5人乗りの案も出されたが、前記の理由から4人乗りとされた。
一方のEV性能は、49kWhの駆動用バッテリーを搭載し、航続距離は458kmを記録(WLTCモード)。ベーシックグレードの42kWh を搭載するカジュアルに関しては現在申請中のため、データは発表されていない。なお、駆動方式はフロントにモーターを搭載しフロントを駆動する。
デザインは他のヒョンデと同様、デザイン言語『ピクセルデザイン』を採用する。
「カッコ可愛く仕上げられました。特に、サイドビューはSUVらしく抑揚がつけられていますので、力強く格好いい印象もあり、フロントはSUVらしくスキットプレートを付けながらも丸形のヘッドライトなどでユニークな表情を作っています」
幅広いユーザーにお勧め
さて、1月10日から先行予約が開始され、現在まで300台以上のオーダーがあったという。年齢層は40歳代近辺が若干多いものの、20~70歳代まで幅広い状況なのは、当初の想定どおりだったと山崎さん。
「老若男女、いろんな方に乗ってご満足いただけるクルマだと思っていますので、本当に幅広い層に見ていただきたい。(すでに導入されている)アイオニック5やコナの全幅は1800mmを超えていますので、駐車場などの制限がある方にはすごくお勧めしやすいですね」

現在のラインナップを踏まえると、インスターがヒョンデにとって最も販売台数を稼げるクルマに見えてくる。その点は山崎さんも同意見で、「日本のヒョンデの中では中核にならなければいけません」と語る。そのため、日本仕様は日本の道路を積極的に走らせた。「日本の道や日本人の運転スタイルに合うドライブモードやサスペンション、ADAS系のチューニングを行いました」。
例えば、ステアリングは若干軽めの設定とし、乗り心地はしなやかさをより求めるなど、かなり日本の道路環境を踏まえたセッティングがなされており、実際に走らせてもそう感じた。
何よりも肥大化するクルマたちの中で、しっかりと5ナンバーサイズを獲得しつつ、実は、ペダル踏み間違いセーフティアシストまで装備される安全運転支援システムを備えているのも特筆すべきところだ。
本来日本車こそがこういったBEVを作るべきだと感じつつ、日本市場を徹底的に研究して仕上げたヒョンデ・インスターに好感が持てた。
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