いすゞ新型電動ピックアップトラック『DマックスEV』発表 常時4WD、専用リアサス採用

公開 : 2025.04.30 18:45

いすゞは新型EV『DマックスEV』を今夏より欧州市場で販売開始します。従来のディーゼル車をベースにした電動ピックアップトラックで、最大積載量1トン、最大牽引能力3500kgを誇ります。航続距離は263km。

最大積載量1トン タフさと静粛性を両立

いすゞは、フルタイム4WDと1トンを超える積載量を誇るピックアップトラック『Dマックス』のEVバージョンを発表した。

新型DマックスEVは今夏に欧州市場で発売される予定だが、来年2月からは英国向けに右ハンドル車の販売も始まる。KGMの新型ムッソEVや、マクサスeTerron 9などと競合することになるだろう。

いすゞDマックスEV
いすゞDマックスEV    いすゞ

ディーゼル仕様のDマックス(いすゞが欧州で唯一販売するモデル)とほぼ同一の設計だが、内燃エンジンを電気モーター2基(各車軸に1基ずつ)に置き換え、合計出力190ps、最大トルク33kg-mを発生。0-100km/h加速は10.1秒、最高速度は130km/hとされる。

66.9kWhのバッテリーが床下に搭載され、欧州WLTP基準での航続距離は263km。最大50kWの充電に対応し、1時間で20~80%の充電が可能だ。

重要な点は、バッテリーの追加がオフロード性能に大きな影響を与えていないことだ。DマックスEVは210mmの最低地上高と600mmの渡河深度を誇り、アプローチ角は30.5度、デパーチャー角は24.2度となっている。

フルタイム四輪駆動システムに加え、「究極のオフロード走行性能」を実現するという専用のラフテレーンモードも備えている。

従来型と同じラダーフレームシャシーを使用しているが、ハンドリングを向上させるため、リーフスプリングの代わりに特別設計のド・ディオン式リアサスペンションを採用している。

さらに、ピックアップトラックとしての実用性を維持し、1000kgを超える荷物を積載可能で、最大3500kgの牽引能力を備えている。ただし、これらが航続距離に与える影響についてはまだ明らかにされていない。車両重量は2350kgだ。

その他、内外装はディーゼル仕様のDマックスとほぼ同一だ。装備リストも同様で、タッチスクリーン式インフォテインメント・システム、デジタルドライバーディスプレイ、デュアルゾーン・クライメートコントロール、前後パーキングセンサー、シートヒーター(フロント)などが用意される。

DマックスEV は、現時点ではダブルキャブ仕様のみの販売となる。

価格はまだ確定していないが、従来の内燃エンジン搭載モデルよりも大幅に高価になる見込みだ。参考までに、英国向けのディーゼル仕様のDマックスは付加価値税(VAT)抜きで3万6505ポンド(約700万円)からとなっている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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