レンジローバー・エレクトリック 北極圏におけるプロトタイプ車両のテストが完了
公開 : 2025.05.02 07:05
2025年4月25日、レンジローバー・エレクトリックのプロトタイプ車両が、北極圏の極寒環境下で2シーズン目のテストを完了しました。極寒の状況下においても快適性と走破性を両立していることが実証されたと言います。
新たに熱管理システムを搭載
レンジローバー・エレクトリックのプロトタイプ車両が、北極圏の極寒環境下で2シーズン目となるテストと開発を完了。合計7万2000キロに及ぶテストは、スウェーデンのアリエプローグにある凍結した湖や陸地の過酷な状況下で行われ、レンジーローバー・エレクトリックのオールラウンドなパフォーマンスを実証した。
今回新たに開発された『ThermAssist』と呼ばれる先進的な熱管理システムは、暖房エネルギー消費量を最大40%削減し、マイナス10℃という低温環境においても熱を回収し、パワートレインや車内を暖めることを目的としている。

このテクノロジーによって、レンジローバー・エレクトリックは極寒の気温下でも航続距離の最適化を実現。また、極端な気温による充電性能への影響を最小限に抑えつつ、車内の温度を暖かく保てるので、快適性も実現しているという。
ジャガー・ランドローバー(以下JLR)のプロダクト・エンジニアリング担当エグゼクティブ・ディレクターであるトーマス・ミューラー氏によると、新たな『ThermAssist』のパフォーマンスは期待を大きく上回るものだったという。
EVになっても走破性は抜群
800Vの高電圧バッテリーは、JLRで初めて自社設計・製造したもので、セルトゥパック方式を採用している。レンジローバー・エレクトリックの117kWhバッテリーは、344個のプリズム型セルを2層に積み重ねたレイアウトで、完全に密閉され、スマートにパッケージングされている。
レンジローバー・エレクトリックに装備されるワンペダルのシステムは、過酷な地形にも対応している。北極圏のテスト施設においてもパフォーマンスを検証した。

レンジローバー・エレクトリックの全輪駆動(AWD)テクノロジーは、内燃機関(ICE)よりも精密なトルク伝達が可能であることが、北極圏の氷上コースを走破したことで実証された。
『インテリジェント・ドライブライン・ダイナミクス(IDD)』と呼ばれるテクノロジーは、後輪のトルクを0〜100%まで調整し、トラクションコントロールと連動し、モーターの回転速度を50ミリ秒以内にコントロールすることで、ICE車両の同等モデルに比べて最大 100 倍速くスリップの制御が可能だという。
また、レンジローバー・エレクトリックのプロトタイプ車両は、予約開始に向けて、厳格なテストと開発プログラムをさらに継続していくという。