ロールス・ロイス・ファントムの100年を振り返るアートワークとエピソード

公開 : 2025.05.12 08:05

ロールス・ロイスからファントムの100周年を祝う、8つのアートワークと歴史的なエピソードが発信されました。20世紀の歴史と文化の立会人となってきたファントムは、単なるクルマではなく、文化的現象であるとロールス・ロイスは語ります。

ファントムの100年を8つのアートで表現

ロールス・ロイスは100周年を迎えたフラッグシップ・サルーン『ファントム』の世界的な威光を振り返り、同社の現役デザイナーたちによる8つのアートワークを公開した。

1925年の誕生以来、ファントムは成功の象徴として認識され、8世代にわたり王侯貴族、指導者、芸術家、産業界の重鎮たちを乗せ、近代史に刻まれる数々の重要な場面に立ち会ってきた。

『QUINTESSENTIALLY BRITISH』(ファントムI)
『QUINTESSENTIALLY BRITISH』(ファントムI)    ロールス・ロイス

時代を超えたエレガンスによりファントムは影響力、洗練された美意識そして個性を表現する究極の存在として、ラグジュアリーの世界において比類なき地位を確立している。

今回制作されたアートワークの着想の元となったのは、1910年に『スピリット・オブ・エクスタシー』を生み出したアーティスト、チャールズ・サイクスによる油彩画である。

顧客たちのライフスタイルを反映した風景の中にファントムを描いたサイクスの作品に倣い、新たに制作されたアートワークもまた、この100年の間にファントムが歩んできた多彩な人生を世界を映し出したものとなっている。

今回、公開された8つのアートワークのタイトルは、以下の通り。

『QUINTESSENTIALLY BRITISH』(ファントムI)

『THE GOLDEN ERA OF TRAVEL』(ファントムII)

『LIGHTS, CAMERA, ACTION』(ファントムIII)

『GRAND OCCASIONS』(ファントムIV)

『A MUSICIAN’S DREAM』(ファントムV)

『A STATELY PRESENCE』(ファントムVI)

『A SENSE OF ARRIVAL』(ファントムVII)

『THE PINNACLE OF LUXURY』(ファントムVIII)

スパルタ将軍の愛したファントムIII

第二次世界大戦における偉大な指揮官の1人、英国陸軍のバーナード・ロー・モントゴメリー元帥は、その質素な生活様式から『スパルタ将軍』の異名で知られていた。

そんな彼が唯一快適さを求めたのが自らの移動手段であり、2台のファントムIIIを愛用した。

モントゴメリー元帥が愛用したロールス・ロイス・ファントムIII。
モントゴメリー元帥が愛用したロールス・ロイス・ファントムIII。    ロールス・ロイス

1944年6月のノルマンディー上陸作戦の前夜、彼のファントムの1台がチャーチル首相、アイゼンハワー将軍、そして英国王のジョージ6世を、ハンプシャーの連合国遠征軍最高司令部での作戦会議へと送り届けた。

また、戦後に彼はもう1台のファントムを用いて、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの首相たちを送迎したという。

モントゴメリー元帥と彼のファントムは、現代史を形づくる様々な出来事に立ち会うとともに、その堅牢さで不変の信頼を示し、いかなる困難な局面においても自らが部隊とともにあり続けるという明確なメッセージを表現したのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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