【賛否両論ジャガーを森口将之が分析】衝撃コンセプト『タイプ00』日本上陸!大胆不敵に英国らしさを追求

公開 : 2025.05.19 12:25  更新 : 2025.05.19 13:14

昨年12月にマイアミのアートイベントで公開され、多くのクルマ好きに衝撃を与えたジャガーのデザインビジョンコンセプト、『タイプ00』が日本に上陸。プレスカンファレンスが開催されました。実車を見てきた森口将之が分析します。

次はジャガーの番

昨年12月にマイアミのアートイベントで公開され、多くのクルマ好きに衝撃を与えたジャガーのデザインビジョンコンセプト、『タイプ00』が日本に上陸。5月18日の一般公開イベントを前に、プレスカンファレンスが開催された。

プレゼンテーションでは英国ジャガー・ランドローバー(JLR)からもCEOやマネージングディレクター、ジャガー・ブランドのチーフデザイナーが来日し、このブランドが日本を重視していることを教えられた。

ジャガー『タイプ00』が日本上陸。5月18日の一般公開を前に、プレスカンファレンスが開催された。
ジャガー『タイプ00』が日本上陸。5月18日の一般公開を前に、プレスカンファレンスが開催された。    森口将之

少年時代にEタイプに触れたことがジャガー入社のきっかけだったというCEOのエイドリアン・マーデル氏は、現在のJLRはレンジローバーディフェンダー、ディスカバリー、ジャガーという4ブランドに分ける中で、レンジローバーやディフェンダーを刷新してきており、次はジャガーの番だと話した。

ここで紹介したのが、創業者であるウィリアム・ライオンズが掲げた『コピー・ナッシング(真似しない)』という言葉。英国らしく過去のDNAも取り込みながら、エンジニアリング、デザインともに妥協せず、最高のEVを作ったという。それがタイプ00だ。

続いて登壇したマネージングディレクターのロードン・グローバー氏は、ジャガーは輝かしいヘリテージを持ったブランドであるが、ヘリテージブランドではないことを強調。スポーツカーのアイコンになったEタイプのように、大胆不敵なクリエイティビティで、21世紀ジャガーのアイコンを作ると宣言した。

『活気あふれる』というキーワード

チーフデザイナーのミッチェル・クロフォード氏は、『a sense of exuberance(活気あふれる)』というキーワードを紹介し、アートによってこのテーマを表現することを目標にしたと明かした。

ここで4つの要素として紹介したのが、大文字と小文字を組み合わせた新しいロゴマーク、ストライクスルーと呼ぶルーバー風処理、マイアミピンクをメインに掲げたカラー、そして生まれ変わったリーピングキャットだ。

ボディカラーはロンドンブルーで、Eタイプにあったライトブルーを反映した色だ。
ボディカラーはロンドンブルーで、Eタイプにあったライトブルーを反映した色だ。    森口将之

プレゼンテーションではその後、英国人ジャーナリストを父に持ち在住期間も長いハリー杉山氏と、日本でのイベントでインスタレーションを担当したアーティストのYOSHIROTTEN氏のトークセッションを実施。

マイアミでタイプ00と初遭遇したYOSHIROTTEN氏は、外観のインパクトは困惑するほどの衝撃で、強い意志を感じたそう。そしてそれ自体が彫刻作品に見えたと感想を述べ、ストライクスルーに東京の景色が映ったらどうなるかを想像しながら、世界を作り上げていったと語った。

プレゼンテーションの後に披露された実車は、写真で見た印象より、ヘリテージを盛り込んでいると感じた。EVでありながら長いノーズと低いキャビン、ファストバックでリアを絞り込んだプロポーション、23インチのホイールを包み込む豊かなフェンダーフレアなどからだ。

ボディカラーは、昨年12月の発表会でマイアミピンクとともに披露されたロンドンブルーで、Eタイプにあったライトブルーを反映した色とのこと。伝統的なジャガーを好む日本を意識したチョイスだと感じた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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