日産、新型EV『マイクラ』欧州導入 ボリューミーで丸みのあるデザインへ 航続距離408km

公開 : 2025.05.22 06:45

日産は第6世代となる新型『マイクラ』を欧州で正式発表しました。ルノー5の兄弟車で、歴代初のEV専用モデルとなります。若い世代をターゲットに内外装を一新し、日本らしいデザイン要素も取り入れています。

歴代初のEV専用モデルに

日産は、第6世代となる新型『マイクラ(Micra)』を欧州で発表した。これまでの「おばあちゃんのクルマ」というイメージから脱却し、若い世代のユーザーをターゲットに開発された。

初代モデルの発売から42年、累計600万台以上の販売実績を誇る人気ハッチバックの最新型だ。アライアンスパートナーであるルノーのEV『5』の兄弟車であり、歴代で初めて内燃エンジンを搭載しないことになる。

欧州市場で発表された新型日産マイクラ。
欧州市場で発表された新型日産マイクラ

日産が近年大きな損失を被り、大規模なコスト削減を余儀なくされる中で、マイクラは欧州市場での販売拡大を目指している。

新型マイクラは、2026年末までに欧州で発売する4車種の新型EVのうちの1つ。他の3車種は新型リーフジューク(次期型EV)、および新型ルノー・トゥインゴと兄弟車となるAセグメント車(車名未確認)だ。

Amprスモール・プラットフォームを採用し、40kWhまたは52kWhのバッテリーを搭載。航続距離は前者が310km、後者が408kmだ(WLTP基準)。上位グレードでは、最大100kWの充電速度に対応し、15%から80%まで30分で充電可能。

ルノー5と同様、シングルモーターをフロントに搭載し、40kWhバッテリー搭載モデルで最高出力123ps、52kWhバッテリー搭載モデルで150psを発生する。

独自のスタイルを追求

パワートレイン以外の最大の変更点は、その抜本的に刷新されたデザインだ。5と同時に開発が進められたが、日産のデザイナーは「より日産らしい」デザインを目指したという。ただし、「その実現には苦労した」と、エクステリアデザインマネージャーのCho Yongwook氏はAUTOCARに語っている。

新しいデザインは「大胆で、主張が強く、スタイリッシュ」と形容され、2002年登場の第3世代のマイクラ(K12型マーチ)からインスピレーションを得ており、特にフロントとリアの円形デイタイムランニングライトが特徴的だ。

エクステリアは第3世代(K12)の影響を受けている。
エクステリアは第3世代(K12)の影響を受けている。    日産

Cho氏によると、「すでにスタイリッシュな」5とは異なるデザインを任され、「大変」な思いをしたという。

ルノー5との違いの1つはフロント部分で、ボンネットがより高く、長く、ややボリューミーなアーチ形状となっており、独自のシルエットを作り出している。

「フロントにボリューム感を出したかった」とCho氏は述べ、これによりマイクラは5よりもクロスオーバーに近い印象になったと付け加えた。

違いとしては他にも、リアにリップが追加されたことと、サイド(2台の関連性が最もよくわかる部分)に「ジェラートをすくったような」ショルダーラインが描かれていることが挙げられる。

これらのデザイン要素が組み合わさって、マイクラは「おばあちゃんのクルマではなくなった」とCho氏は主張する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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