あえて「ハッチバック」に注力 スタイリッシュなキア新型『K4』欧州導入へ 競争力を強化

公開 : 2025.06.10 06:45

キアは欧州市場でハッチバックとセダンに力を入れる方針で、新型『EV4』および『K4』の投入準備を進めています。幅広い車種を展開し、現地生産の拡大や残存価値の維持を通じて販売力の強化を図ります。

欧州のハッチバック需要に期待

キアは、人気の高いSUVには特化せず、ハッチバックとセダンにも力を入れていく方針だ。現在、新型のCセグメント車『EV4』および『K4』を欧州で発売する準備を進めている。

キアの副社長テッド・リー氏はAUTOCARの単独インタビューに応じ、ハッチバックの販売を継続し、まったく新しいモデルも発売することを明らかにした。特に、欧州ではハッチバックモデルに「大きな需要」があるとの認識だ。

キアK4ハッチバック
キアK4ハッチバック    キア

10月に発売予定の新型EV4は、同社が欧州で生産する最初のEVとなる。ハッチバックとセダンの2種類があり、ハッチバックはスロバキアの工場で生産されるが、セダンは韓国から輸入される。

また、最近ニューヨーク・モーターショーで公開されたガソリンエンジン搭載バージョンの新型K4も加わり、欧州で現行のシードの後継車となる。K4はメキシコ工場でハッチバックとセダンの両方が生産される。

さらにステーションワゴンタイプも開発中で、K4は3車種のモデルラインナップとなる見込みだ。

キアは欧州市場に対して自信を見せている。リー氏はキアが現在「欧州で強い立場にあります。特に英国では、非常に強力です」と述べた。

リー氏は、キアの英国事業がグローバル事業に統合された2002年に、同部門に韓国人として初めて入社した人物だ。現在は、韓国以外の地域における同社のグローバル事業を統括している。

2024年の欧州におけるキアの売上は前年比でわずかに減少したものの、2020年以降では30%以上伸びている。英国では3年連続で10万台以上の販売を達成し、2025年には2位のBMWに300台差で3位につけている。

欧州では中国ブランドとの競争が激化しており、「厳しい市場」となっているとリー氏は認めた。今後はアフターサービスや部品供給、顧客体験のさらなる強化に注力していくとしている。

「市場におけるキアの優位性を強化しなければなりません」と同氏は述べた。

欧州での価格競争に加わることなく、強引に売り込むこともしない。その代わりに、ブランドの「持続的な成長」を支えてきた残存価値(リセールバリュー)に引き続き注力していく。

リー氏によると、クルマをディーラーや顧客に割引価格で押し付けるのではなく、顧客の需要に応じて生産・販売するという戦略によって、高い残存価値を維持してきたという。

リー氏はこれを「健全なサイクル」と表現し、「とても簡単に聞こえるかもしれませんが、実際には強い決意と新年が必要です」と述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事