ヒョンデ・エクスペリエンス・センター横浜に12ヵ月点検で入庫(前編)【ヒョンデ・コナ長期レポート#13】

公開 : 2025.06.10 11:45

編集部ではヒョンデ・コナを長期レポート中です。今回のレポートは、12ヵ月点検に相当する車両チェックを行ったというお話、その前編となります。まずは、新車時から付帯するサービスと保証内容を確認しました。

見慣れぬ画面がセンターのモニターに表示

長期レポート中のヒョンデコナ。昨年秋に編集部にやってきて以来、順調に距離を伸ばしている。その間のトラブルはゼロで、正直レポートのネタとしては何か欲しいところだが、編集部のアシとして活躍していることもあり、非常にありがたく思っている。

そんなある日。移動中にサービスエリアで駐車した際に、見慣れぬ画面がセンターのモニターに表示された。『まもなく更新が開始されます』とあり「これはナンダ?」と見ていたが、『安心して降車してください』とあったので、クルマを降りて所用を済ませた。そして戻り起動すると、『更新情報 最新ソフトウェアバージョン:25.4.1』という画面に切り替わっていた。

サービスエリアで駐車した際に、見慣れぬ画面がセンターのモニターに表示された。
サービスエリアで駐車した際に、見慣れぬ画面がセンターのモニターに表示された。    平井大介

「へえ、自動でアップデートするんだ」と思い『詳細』を押すと、『高電圧バッテリーの急速充電速度が向上しました。ワイヤレスソフトウェアアップデート(OTA)により、以下の改善が行われました』と、説明が表示されるではないか。横にはQRコードもあり、リンク先で詳しく見ることもできた。

OTAとはオーバー・ジ・エアの略で、インターネット経由で自動車のソフトウェアを更新する技術だが、お恥ずかしながらEVの取材をするようになって最近知った言葉である。知った時は身近に感じていなかったが、その瞬間は不意に訪れたわけだ。

私は主に自宅の200Vで充電するので、急速速度向上は体感できていないが、カーナビのついているクルマを購入したことがないほどのオールドタイプにとっては、いきなり宇宙船に乗ったくらいの衝撃であった。

そういえばリアルな定期点検はどうする?

そこでふと気がついた。そういえば、コナのリアルな定期点検はどうすればいいのかと。

ご存知のように、ヒョンデは主にインターネットを通じた店舗を介さない販売を行っており、アフターサービスについては正直よくわかっていなかった。そこでレポート車の所有者であるヒョンデ・モビリティ・ジャパンの担当者に問い合わせたところ、『ヒョンデ・エクスペリエンス・センター横浜』への入庫を勧められた。

ヒョンデ・エクスペリエンス・センター横浜に入庫。その様子は次回のレポートで。
ヒョンデ・エクスペリエンス・センター横浜に入庫。その様子は次回のレポートで。    平井大介

実はこの原稿を書いている時点では既に入庫を終えているのだが、先に今回の取材で理解できた、ヒョンデを新車で購入した後の流れを説明しよう。

実はヒョンデのBEVには『ヒョンデ・アシュアランス・プログラム』が付帯していて、最初の3年間は1年ごとの点検、3年目の車検、バッテリークーラントの交換(アイオニック5)、外装のダメージケアまで、無料でサポートするという。

具体的には、12ヵ月、24ヵ月の法定点検における基本料金、36ヵ月の車検における基本料金、完成検査費用、継続登録費用がそれぞれ無料となる。

外装は例えばコナの場合、前後バンパー、ドアミラー、タイヤが対象となり、何かあった場合1年に1回、1部位のみ最大10万円まで修理費用をサポートするというものだ。

また一般保証は、新車から5年/走行距離10万km(いずれか早いほう。以下全て)となっていて、4年目、5年目の法定点検こそ有料となるが、消耗部品が1年/2万km、オーディオ・ナビゲーションが3年/6万km、塗装が5年/10万km、鍵穴が5年それぞれ保証対象となる。

そしてBEVで肝心のEV駆動用バッテリーは、8年/16万kmの保証となっており、SOH(ステート・オブ・ヘルス)と呼ばれるバッテリーの劣化を示す数字は最低でも70%を保証しているそう。

こうして見ていくと、「結構手厚いなぁ」というのが第一印象だ。今回の取材では、12ヵ月時に相当する点検を行ったのだが、その様子は次回のレポートでお伝えしたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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