JCCAクラシックカー フェスティバル 富士ジャンボリー
2015.04.12
JCCAが主催する春恒例のレースイベントである「JCCAクラシックカー フェスティバル富士ジャンボリー」が、静岡県駿東郡小山町にある富士スピードウェイで開催された。心配された天候も、少々肌寒さはあったものの穏やかな気候の一日となった。
モータースポーツの舞台として華々しい歴史を刻んできた富士スピードウェイ。そのレーシングコースを用いて行われるこのイベントは、ヒストリックカーによるレースと走行会により構成される。ヒストリックカー・オーナーがレースに参加できるのはもちろんだが、観客にとっては、懐かしいモデルたちが、現役当時さながらにサーキットを駆け抜ける姿を楽しめる貴重な機会でもある。
イベントの中で最もクラシカルなモデルで競わるのは、S65レースだ。1965年までに生産された車両が参加でき、チューニングが可能なクラスである。今回エントリーしたのは、ロータス・コルチナMk-1やトヨタ・スポーツ800などのモデルだ。このレースでは、トライアンフTR-4Aが快走を見せ、ポール・トゥ・フィニッシュを決めた。
ノーマルに近いモデルで競われるP68/75レースは、唯一足まわりの改造のみが許される。このカテゴリーの参加モデルは、ホンダS800やコスモ・スポーツなどの1968年以前のモデルを対象とするP68と、S30フェアレディZやポルシェ911などの1970年~1975年に製造されたモデルを対象とするP75という2つのカテゴリーが混走となる。さらにこのP68/75カテゴリーの対象モデルにエンジン・チューニングの幅を広げたのがS68/75レースである。このクラスへの参加台数が最も多く、今回は25台がエントリーしていた。
そして、徹底的にマシンの作り込みを楽しめるのが、Fレースである。これは1970年までのモデルをベースに、ボディやエンジンに大幅な改造が許される。排気量拡大も可能なだけに、とても刺激的なクラスとなっており、パワーを活かした接戦のバトルに、思わず観客も手に汗を握ってしまう。レースの結果は、ベストタイムで上回るS30フェアレディ240Zを抑え、B110サニーが4秒以上の差をつけ優勝を果たした。
また往年のツーリングレースを彷彿させるのがTSカップだ。KP61スターレットとB310サニーのみで競われるのが最大の特徴で、80年代に盛り上がりを見せたマイナー・ツーリングレースを思い起させてくれる。B310が中心となっているが、そこにコンパクトなボディで戦いを挑むKP61の姿は、実に印象的だ。それぞれのマシンの仕上がりも良く、かなり速いため接近戦が繰り広げられ、見ごたえあるレース展開となっている。
4年目を迎えたヒストリックGPは、1969年までのグループ6スポーツ・プロトタイプカーとグループ4量産スポーツカーによるレース。大排気量のシボレー製V8を搭載する1959年型リスター・シボレーやコルベット、1963年型マリーンMk-4など最も珍しいモデルが参戦するカテゴリーとなっている。富士スピードウェイということもあり、パワーを活かした1963年型のシボレー・コルベットが優勝を果たしたが、1.6ℓながら運動性能に優れる1968年型のジネッタG12は2位に付ける健闘を見せた。
このほかにも走行会では、多種多様な国産ヒストリックが走行したジャパンランや、パンテーラやフォードGT40などのスーパーカー世代憧れのモデルも登場した輸入ヒストリックのオーバーシーラン。そして唯一現行モデルが参加できたクラブ・ウィザム・スポーツランでは、ロータスとケータハム・セブン多数集結していた。
1日中、様々なレーシーなヒストリックカーが駆け抜けた富士スピードウェイでは、参加者だけでなく多くの観客がその雄姿を楽しみに訪れていた。次回は、夏の7月5日に筑波サーキットで行われる「JCCAクラシックカー フェスティバル 筑波ミーティング サマー」が行われる予定だ。今回同様にレースだけでなく走行会も行われるので、ヒストリックカー・オーナーならば観覧のみでなく、まずは気軽に参加できる走行会へのエントリーも検討されてはいかがだろうか。詳しくはホームページで確認を。
日本クラシックカー協会(JCCA)ホームページ http://www.jcca.cc/
最も旧いモデルで競われるカテゴリーのS65レース。大排気量のマスタングが優位と思われたが……。
足まわりの改造のみとなるP68/75レースで見られた、マツダ・ロータリー・モデル同士の対決シーン。
S65レースで快調だったのは、1965年型トライアンフTR-4A。ポール・トゥ・ウインを決めた。
P68/75レースを疾走する1974年型ロータス・ヨーロッパSP。旧車イベントに華を添える名車のひとつ。
チューニング可能なクラスであるS68/75レースには、この日最多となる25台のマシンによって競われた。
S68/75レースでは、ポルシェ911も複数台がエントリー。こちらは1975年型のカレラ2.7。
フルチューニング車で競われるFレースを予選1位で通過したのは、D.COMMTフェアレディZ。
Fレースで優勝したのは、予選2位だったHOROTA東名サニー。Fレースの最速ラップも記録した。
レーシングB310サニーとKP61スターレットが参戦するTSカップ。その光景はまさに80年代。
TSカップでは、往年のマイナー・ツーリングを彷彿させるサニー同士の熱いバトルが繰り広げられた。
ジャパンランは、国産旧車のみの走行会。ハコスカGT-Rが連なって走るシーンを目にすることもできた。
フェラーリ250GTOレプリカも……。これはS30フェアレディZがベースで、エンジンを2.8ℓにスープアップ。
走行会に向けて最終点検が行われる参加車たち。そんなシーンを見られるのもイベントの楽しみのひとつ。
オーバーシーランには、スーパーカー世代を虜にしたデ・トマゾ・パンテーラやフォードGT40なども参加。
今回最も注目を集めたのが、1968年型のローラT70 Mk-3。勇ましいエグゾーストノートを響かせていた。
イベントで唯一現行モデルがエントリーできるクラブ・ウィザムの走行会。ロータスやケータハムが大集結。
クラブ・ウィザムの走行会に姿を見せたのは、KTMクロスボウGT。日本にはまだ2台しかない希少なモデル。
場内アナウンスでスターティング・グリッドについた車両と参加者たちを紹介し、会場の雰囲気を盛り上げた。
レースクィーンが登場し、スタートのカウントダウンが行われる決勝レース。緊張感が高まる瞬間だ。
愛車の前でクルマ談義に花を咲かせる参加者たち。仲間との親睦を深めるのも、イベントの楽しみのひとつ。
様々なアイテムが並ぶオートジャンブルのエリアは、掘り出し物を探す来場者たちで大いに賑わっていた。
#67 1967年 ジネッタG12
#28 1968年 マクランサ
#7 1959年 リスター・シボレー
#66 1966年 ジネッタG4
#5 1963年 マリーンMk-4
#9 1968年 ジネッタG12
#99 1962年 ロータス23B
#70 1963年 シボレー・コルベット






























