ミニ・クラブマンの実車がフランクフルトで公開

公開 : 2015.09.15 22:03  更新 : 2017.06.01 02:05

ミニ・クラブマンは、大きなスペースとルーミーな室内を武器としたエステート・モデルで、プレミアム・ブランドのハッチバック達が居並ぶこのマーケットで、より大きなセールスを狙うモデルでもある。

ベルリンで発表された新しいクラブマンは、既に2014年のジュネーブ・モーターショーで発表された初期のコンセプト・モデルを具現化したものとも言える。ちなみに、英国での発売は10月31日を予定している。

先代と大きく異なるのは、1+2という変則的なドアから、コンベンショナルなフロント・ヒンジのドアが4枚与えられたことだ。また、そのボディ・サイズは、カントリーマンよりもひとまわり大きくなっている。主に、ボディ・サイズのアップは、荷室スペースと居住空間の拡大に当てられると共に、融通性をアップさせているのにもつながっている。

スタイリングは最新のハッチバック・モデルに準じたもので、大きなシングル・フレームのフロント・グリル、LEDグラフィックを持つオーバルのヘッドランプ、大きくカーブしたクラムシェル・ボンネットなどが特徴だ。

また、フロントのホイールアーチの後ろにはエアを抜くためのベントが開けられ、その上のサイド・リピーター・ランプにはクロームのハウジングが与えられる。また、ドアはすべてフロント・ヒンジとなり、先代よりもリア・シートへのエントリーは格段に向上した。

リアのハッチは中央で分割して開くいわゆる観音開きが引き続き採用されている。そのため、他のハッチバック・モデルのような垂直型のテールランプは、水平なタイプへと変更されている。これが、視覚的にもクラブマンの特徴につながっている。

サイズは、全長が4253mm、全幅が1800mm、全高が1441mmで、これは先代に対してそれぞれ293mm、115mm、16mmほどサイズ・アップした値だ。ミニ・カントリーマンと較べても、全長が158mm、全幅が10mmほど大きく、逆に全高は119mmほど低い。

ボディ重量は高張力鋼板が多用されているが、サイズアップのための増大は避けられず、1300kgのクーパー・クラブマンよりも115kgほど重くなっている。

一新されたキャビンにはユニークなスタイルのダッシュボード、電子制御のハンドブレーキが与えられ、そしてBMWスタイルのロータリー・コントローラがフロント・シートの間に配置される。そのデザインは他のミニのモデルよりもまとまりが感じられる一方、センターの丸いピナクルは従来どおりのレイアウトだ。

インナー・サイズの拡大というのは、今回のクラブマンでも最も大きなセールス・ポイントだ。トランク・ルームは100ℓ拡大した360ℓとなった。これはハッチバックよりも150ℓほど大きく、カントリーマンと較べても10ℓほど大きい値だ。標準で装備される60:40分割可倒式のリア・シートを折りたたむと、ブート・スペースは1250ℓまで拡大する。

クラブマンにラインナップされるエンジンは、ガソリン・ターボが2種類、そしてディーゼル・ターボが1種類で、これは昨年発表された第3世代のハッチバックと同様のもの。ギアボックスは、6速マニュアルが標準、そしてパドル・シフト付きの8速オートマティックがオプションとして用意される。

アイドリング・ストップとブレーキ回生エネルギー・システムが標準で装備されるほか、8速オートマティックでは、30km/hから100km/hの間で惰性走行をした場合にエンジンをアイドル状態にして燃料消費量を向上させる仕組みが組み込まれている。

ベーシックなエンジンは、1.5ℓ3気筒で136psのパワーを持つクーパー・クラブマンに搭載されるもの。0-100km/h加速9.1秒、最高速度204km/h、燃費19.6km/ℓ、CO2排出量118g/kmというパフォーマンスを持つ。

パフォーマンス・リーダーとなるのは、2.0ℓ4気筒で192psのクーパーSクラブマン。0-100km/hが7.2秒、最高速度229km/h、燃費16.1km/ℓ、CO2排出量144g/kmという値を持つ。

そしてディーゼル・モデルとしては150psの2.0ℓ4気筒を搭載するクーパーDクラブマンがラインナップされる。0-100km/h加速8.6秒、最高速度212km/h、燃費24.4km/ℓ、そしてCO2排出量109g/kmとなる。

ローンチ時にはこの3つのエンジン・ラインナップとなるが、更なるエンジンが搭載される計画もある。230psの2.0ℓディーゼルを搭載するクーパーSDクラブマンや、トップ・レンジとなるクーパーSクラブマン・ジョン・クーパー・ワークスなどが予定されている。また、3気筒エンジンをベースとしたプラグイン・ハイブリッドもモデル・ライフの終盤には追加されそうだ。

この新しいクラブマンに使われるプラットフォームは親会社である。BMWのUKLだ。ホイールベースは2シリーズ・アクティブツアラーと同じ2670mm。このホイールベースは、先代クラブマンよりも175mm長く、最新のミニ・ハッチバックよりも175mm長い。

サスペンションは、フロントがマクファーソン、リアがコンパクトなマルチ・リンクとハッチバックと同様。オプションのダイナミック・ダンパー・コントロールを装備すれば、スポーツとコンフォートが切り替えが可能。

また更なるオプションとして、ミニ・ドライビング・ファンクション・モードを選択することもできる。ギア・レバーの根本にあるロータリー・スイッチで、グリーン、ミッド、スポーツという3種類のモードをチョイスできる。

タイヤ・サイズは、クーパーおよびクーパーDが205/55の16インチ、クーパーSが245/45の17インチとなる。
価格は、クーパーが£19,995(388万円)、クーパーDが£22,265(432万円)、そしてクーパーSが£22,755(442万円)だ。

▶ 2015 フランクフルト・モーターショー

関連テーマ

おすすめ記事