ボルボV60ポールスター

公開 : 2015.11.16 23:30  更新 : 2017.05.29 19:08

■どんな感じ?

現在のポールスター・ブランドはアフター用のエンジン・プログラム・キットも存在する。ただ、ポールスター史上初にして今のところ唯一のコンプリート・ポールスターが別格なのはエンジンを始動した瞬間、あるいはタイヤが転がり出した瞬間から分かる。

吸排気系まで含めたエンジン・チューンで、高域で絞り出すようなサウンドは本物のそれ。震動騒音はうまく抑制されており、チューンドとしては音量も控えめだが、快い音色だけを抽出するセンスはある意味でBMWに優る部分すらある。さすがのハイチューン・ターボだけに過給ラグは比較的はっきりしているものの、4000〜5000rpmで本格的に過給が立ち上がってからの粒がそろったパワーは凄まじく、そして快感でもある。

ボディからタイヤまで、すべてをトータルチューンした足回りも本物感がただよう。硬いことは硬いが、ほかのボルボのコスメ優先スポーツグレードにあるような、とがった突きあげは皆無。いかにもアシが滑らかに動いている様子が手に取るようだ。ただ、ポールスター推奨の公道セッティング(オーリンズ製の専用ダンパーは前後とも減衰力は30段階の手動調整が可能)では、山道でムチを入れるとバネに対してダンピングが緩すぎるようで、個人的には引き締めたい。ただ、それだと公道で突っ張るクセが出そうでもある。

4WDシステムも専用の積極配分制御になっているそうだが、アウディの縦置きクワトロのように、リアの駆動力で積極的に曲げるまではいっていない。ノーズヘビーな重量配分もあってか、基本的にアンダーステアは強め。4WDはあくまで黒子に徹して、後から「そういえばこのパワーのわりには運転しやすいな」と気づくタイプといえばいいか。

このようにトータルでは非常によくできたスポーツ・モデルだが、唯一ツッコミを入れるとすればATである。ポールスター専用に変速スピードを速めているというし、一般的な走行ではそれなりにレーシーな味わいはある。ただ、ボルボとしては史上最高といえる走行ペースに対して、変速の反応遅れがボトルネックとなって走りのリズムを乱すケースがままあった。まあ、これがアイシン製6ATのハードウェア見解なのだろうが、新しい8ATで(4気筒の)ポールスターを開発するなら、この点だけは肝いりの開発を望みたいところだ。

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