トヨタ・クラウン・アスリートS-T

公開 : 2015.12.24 23:45  更新 : 2021.10.11 09:10

  • 立体メッシュ形状となったフロント・グリルは、角度によって表情が変わる。

  • スポット溶接90カ所増し打ち、構造用接着剤の採用により「シャシーのチューニングは素晴らしい」

■どんなクルマ?

トヨタのフラッグシップサルーンとして、1955年以来の伝統を誇るクラウンが、マイナーチェンジされた。現在のクラウンは、アスリート、ロイヤル、そしてマジェスタの各シリーズで構成されているが、今回レポートするのは、最もスポーティなキャラクターが演出された、アスリート・シリーズに新設定された、2ℓ直列4気筒直噴ターボエンジン搭載モデル。これは従来までの2.5ℓV型6気筒エンジンの実質的な後継となるもの。

最近のテクニカルトレンドであるダウンサイジング・コンセプトを、ついにクラウンも採用したことになる。なお2.5ℓのV型6気筒エンジンは、今後も4WDモデルには継続して搭載されるし、さらに2ℓ直列4気筒ハイブリッドや3.5ℓV型6気筒と、アスリート・シリーズの搭載エンジンは、非常にワイドなラインナップとなっている。

今回のマイナーチェンジでは、乗り心地やコーナリングのスタビリティ、あるいは正確性に大きな影響を与える、ボディー剛性の向上にも積極的な対応策が施された。具体的には90箇所以上にも及ぶスポット溶接増しや、構造用接着剤の採用などがそのメニュー。同時に前後サスペンションのチューニングやAVS、EPS等々のデバイスも、その制御システムに改良を加えている。

760MHzのITS(高度道路交通システム)専用周波数を活用した、「ITSコネクト」を世界初採用したことも大きな話題だ。これまでの車載デバイスに加えてインフラ設備、あるいは同機能を搭載する他車との通信によって、さらに高度な安全性を確保する。現在の段階ではまだ、専用インフラを備えた交差点も、またほかのITSコネクトの搭載車両もその数は少ないが、他社モデルとの通信も含めて、将来的な期待度はもちろん大きい。

一方トヨタが2017年中に全車への搭載を宣言している、最新の安全装備パッケージ、「トヨタセーフティセンスP」の採用は、今回のマイナーチェンジでは見送られた。

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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