2015年12月 自動車販売台数ランキング

2016.01.09

2015年の新車販売は4年ぶりの前年割れ。単月も12カ月連続でマイナスを記録

2015年の日本の新車セールスは、かなり厳しい結果となった。自動車業界団体がまとめた2015年12月の全体での国内新車販売は、前年同月比14.5%減の36万9452台と12カ月連続での前年割れを記録。カテゴリー別では、登録車が同3.1%増の23万9084台とどうにか3カ月連続でのプラスを達成したものの、軽自動車は同34.8%減の13万368台と12カ月連続でのマイナスとなる。これで2015年の成績は登録車が前年比4.2%減の315万310台と2年ぶりの減少、軽自動車が同16.6%減の189万6101台と4年ぶりの減少、トータルで同9.3%減の504万6411台と4年ぶりの前年割れとなった。市場の動向について業界団体の関係者は「消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減が長引いたことに加え、今年4月の軽自動車税増税が大きく影響して、2015年の新車販売は落ち込んでしまった。それでも、何とか500万台超えは4年連続で維持できた」と解説。2016年については、「厳しい状況は続くが、東京モーターショーに出展された市販前提の新型車が順次発売される予定なので、これらがどれだけ受注を伸ばすかが市場を活性化させる鍵となる。各自動車メーカーも、販売は徐々に持ち直すという見方が根強い。2017年4月に予定されている消費税率10%への引き上げを見越した駆け込み需要も、ある程度はありそう」と語った。

12月の車名別ランキングでは、新型に切り替わったトヨタプリウスが前年同月比55.0%増の1万6406台の販売を記録して30カ月ぶりの首位に輝く。続く第2位には、前月から1ランクダウンのトヨタ・アクアが位置。第3位には前月と同順位でダイハツタントが入った。一方で年間通しての車種別成績では、トヨタ・アクアが前年比7.6%減ながら21万5525台のセールスを達成して2年ぶりのトップに返り咲く。第2位には前年の5位から大きく順位を上げたホンダN-BOXがランクイン。昨年は軽自動車として6年ぶりの首位についたダイハツ・タントは第3位となった。トップ10を一覧すると、軽自動車が6車種で残り4車種はHV専用またはHVを中心に据えた登録車。ユーザーの低燃費志向、そして節約志向は依然として続いているようだ。また、トップ10のうちで前年比を超えたのはN-BOXスラッシュの追加などで販売を伸ばしたホンダN-BOXのみ(2.8%増)。残りの9モデルは前年割れという寂しい状況となってしまった。

2015年12月 車名別乗用車販売台数ランキング (日本自動車販売協会連合会発表)

メーカー モデル 台数
1 トヨタ プリウス 16,406
2 トヨタ アクア 15,066
3 トヨタ シエンタ 8,818
4 ホンダ フィット 8,065
5 トヨタ ヴォクシー 7,853
6 トヨタ カローラ 7,668
7 日産 ノート 6,269
8 トヨタ ヴィッツ 6,154
9 ホンダ ヴェゼル 5,044
10 スバル インプレッサ 3,938
11 ホンダ ステップワゴン 3,831
12 日産 セレナ 3,791
13 日産 エクストレイル 3,790
14 トヨタ クラウン 3,758
15 スズキ ソリオ 3,749
16 トヨタ ノア 3,681
17 トヨタ ヴェルファイア 3,246
18 トヨタ パッソ 3,178
19 ホンダ シャトル 2,990
20 ホンダ フリード 2,808
21 トヨタ エスクァイア 2,776
22 トヨタ アルファード 2,760
23 トヨタ ハリアー 2,738
24 スバル フォレスター 2,589
25 マツダ デミオ 2,230
26 トヨタ ランドクルーザーW 1,982
27 トヨタ スペイド 1,774
28 スズキ スイフト 1,635
29 マツダ CX-5 1,616
30 スバル レヴォーグ 1,555

輸入車の年間の新車販売は6年ぶりにマイナス。ブランド別ではメルセデス・ベンツが16年ぶりの首位

輸入車の新車販売は、フォルクスワーゲンの排出ガス規制不正問題による影響が数字となってはっきりと表れた。12月単月の外国メーカー車の新規登録台数は前年同月比13.7%減の2万9171台と、4カ月連続での前年割れ。日本メーカー車含でも同11.6%減の3万2163台にとどまった。これで2015年通年の外国メーカー車の成績は前年比1.6%減の28万5496台となり、6年ぶりにマイナスに転じる。市場の動きに関してJAIA関係者は、「9月までは前年を上回る販売ペースで推移していたが、以降はフォルクスワーゲンと同グループのアウディの大幅な販売減が大きく響いた。各ブランドで発売された主力車種の新車効果が一巡したことも、販売成績の鈍化につながった。ただ、国産登録車が伸び悩んだために外国メーカー車のシェアが9.1%と過去最高を3年連続で更新したことは朗報」と分析。2016年については、「PHVなどの環境対応車のラインアップがさらに充実する見込みなので、販売は堅調に推移すると思われる。一方で、フォルクスワーゲンの排出ガス規制不正問題によるブランドイメージの低下がどれくらい長引くかは懸念材料」と予想した。

12月の外国メーカーのブランド別成績では、Cクラスなどの新型車販売が一巡して前年同月比11.1%減(6494台)となったものの、メルセデス・ベンツがトップを維持する。第2位には5.5%減(5499台)ながら1ランクアップを果たしたBMWが位置。第3位にはブランドイメージの低下によって同39.2%の大幅減(4532台)を記録したフォルクスワーゲンが入った。続く第4位には、同5.2%増(2528台)を成し遂げたBMWミニがランクイン。同29.0%の大幅減(2472台)となったアウディは前月と同じく第5位にとどまる。また、VWグループ内のポルシェも同19.6%減(839台)の2桁マイナスを記録した。一方で年間通してのブランド別成績では、メルセデス・ベンツが前年比7.1%増の6万5159台を登録して16年ぶりの首位に輝く。第2位には首位から落ちたフォルクスワーゲンが同18.8%減の5万4765台で位置。続く第3位には同1.3%増の4万6229台を達成したBMWが、第4位には同6.4%減の2万9414台となったアウディがランクインした。ドイツ4強以外では、BMWミニが同19.8%増の2万1083台、ポルシェが同24.2%増の6690台、ルノーが同9.0%の5082台、ジャガーが同25.7%増の1349台、フェラーリが同28.3%増の720台、ランボルギーニが同86.6%増の349台と好成績を成し遂げた。

2015年12月 車名別輸入車新規登録台数 (日本自動車輸入組合発表)

メーカー ■月 2015年累計
1 Mercedes-Benz 6,494 65,162
2 VW 4,532 54,766
3 BMW 5,499 46,229
4 Audi 2,472 29,414
5 Nissan 1,324 21,255
6 BMW MINI 2,528 21,083
7 Toyota 1,141 14,777
8 Volvo 1,766 13,786
9 Jeep 630 7,132
10 Porsche 839 6,690
11 Fiat 711 6,032
12 Peugeot 644 5,906
13 Renault 398 5,082
14 Ford 417 4,968
15 Mitsubishi 86 4,102
16 Land Rover 342 3,105
17 Suzuki 437 2,953
18 Alfa Romeo 171 2,321
19 Citroen 177 1,979
20 ABARTH 185 1,472
21 Maserati 177 1,449
22 Jaguar 161 1,349
23 smart 455 1,012
24 DS 96 925
25 Cadillac 67 837
26 Chevrolet 92 825
27 Ferrari 36 720
28 Chrysler 40 466
29 Bentley 36 370
30 Lamborghini 10 349
31 BMW Alpina 47 309
32 Dodge 29 296
33 Lotus 15 271
34 Aston Martin 19 164
35 Rolls Royce 10 156
36 Mclaren 13 90
37 Hyundai 14 82
38 GMC 1 50
39 Rover 5 47
40 Scania 3 47
41 Honda 4 39
42 Lancia 2 22
43 Hummer 2 19
44 Pontiac 0 18
45 Morgan 3 14
46 Autobianchi 0 10
47 Buick 1 8
48 MG 1 8
49 Unimog 1 8
50 Bugatti 0 5
51 Opel 0 4
52 Saab 0 4
53 Detomaso 0 3
54 Maybach 0 2
55 PROTON 0 2
56 Innocenti 0 1
57 Kia 0 1
58 RUF 0 1
59 DAEWOO 0 1
60 Others 30 425
合計 328,622
文・大貫直次郎

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